内容説明
英国の次期主力戦車MBT90が、ヨルダンの砂漠で行方不明になった。購入を検討中のヨルダン陸軍が戦車のテストをしていたが、反乱が勃発、その渦中に巻き込まれたのだ。反乱はシリアの策謀によるもので、戦車の最新軍事機密が反乱軍側に渡ることは、何としても阻止せねばならなかった。マクシムは戦車破壊の任務を受け、少数のチームを率いて戦火の砂漠へ向かうが…指揮官として闘う男の姿を描く傑作シリーズ第四作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
44
マクシム少佐4冊目でラスト。ヨルダンで軍の反王党派が反乱を起こす。英国ではヨルダンの要人誘拐たてこもり事件が発生。誘拐されたのがマクシムの知己の軍人であったことからマクシムが突入作戦を指揮する羽目になり、後始末で外務省からヨルダンにお遣いに出され、行方不明になっている英国新型戦車の試作品の位置を特定するに及び、ヨルダン反乱軍に奪われる前に捜索・破壊するための作戦に巻き込まれる。マクシムの心の声は「おれはアグネスのベッドにもどりたいんだ」でも、兵士たる自分は目の前の事態から逃げ出すわけにはいかん。2020/12/05
スー
17
71今回はヨルダンでクーデターが発生!ヨルダンには英国の新型戦車が試験されていてこれが反政府側の手に渡るとロシアに技術が漏れるのでマクシムはヘリでひとっ飛びし新技術の部分を破壊し簡単に帰るはずが問題発生新型戦車に乗り脱出する計画に変更、戦車は燃料も弾薬も乏しく反政府軍が追いかけて来るし隣国は国境を閉ざして絶体絶命!軍人マクシムの本領発揮シリーズの中では1番楽しめた。アグネスも良かった、ふたりの続きを読めないのが残念だ2023/12/01
鐵太郎
12
マキシムという人物は、軍人馬鹿の一面も確かにあります。命令に従い、軍人としての行動だけを取る事があります。やるべき任務であれば、一瞬も迷わず冷静に撃ち殺します。しかし、単なる兵隊ではない。必要に応じて臨機応変に行動し、思いもよらない方法で反撃します。 しかし同時に、いつの間にか目だつ位置に立って、一身に敵の攻撃を受ける立場になるのです。困ったものですな。 そういう存在を、「Uncle Target」(この本の原題)というのだそうな。2009/08/08
bapaksejahtera
11
マクシム少佐シリーズの第4作。英国訪問中のヨルダン軍大佐が襲撃され拷問死する。その時偶々ヨルダンに送り込まれた新型戦車は反乱軍の占領地域にあって姿をくらましていた。襲撃犯である反王党派は該戦車を鹵獲しようと在り処を知る大佐を襲ったのだ。マクシムはヨルダンに送られ最新戦車の爆破に当たるよう、例によって「余儀ない」立場に陥る。そういう性なのである。以下砂漠での戦車を用いた逃亡戦。元来歩兵である主人公は最小兵力を用いつつ脱出に成功する。砂漠や戦車のあれこれを紹介しつつ、毎回ながら読者を退屈させぬ展開であった。2021/06/20
Masa
7
読了。もう数年積んであって、やっと読みました。訳者変わってもハリイのカッコよさは変わらずなので、心配無用(ちなみに村上さんも好きな訳者さん)。ちなみに今回はアグネスもいい味出してくれていたなぁ。ハリイは最後まで戦士でした。いや、もう本当にカッコ良いんですよ。2021/12/30