内容説明
海上保険業者のボディガードを依頼されたカードは取引場所のフランスの田舎町に乗り込んだ。ところが一発の銃声が黄昏の静寂を引き裂き、カードの眼前で依頼人は事切れた。取引の目的は何だったのか?このまま引き下がってはプロとしての意地が許さない。次次と襲いかかる死の罠をくぐり抜け、謎の狙撃者を追う彼が暴き出した真相とは?パリ、ロンドンそして北欧の大自然を舞台に繰り広げられる巨匠会心の冒険小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
14
いままでのライアルとはちょっと違う、精緻に組み立てられたミステリになっています。アクションもしっかりしているし。面白い。どんでん返しを繰り返して、最後の数ページでまたひっくり返される。この引きずり回される快感がたまりません。今回、後半を二度読み直しましたよ。展開がわかっても面白い。 「所詮は馬鹿な男どもが、見果てぬ夢を追い求める。」というオビの文句が泣かせます。2009/06/10
羊山羊
6
主人公カートはある護衛任務に失敗、己の意地と誇りをかけて暗殺者の捜査を開始する。しかしそこには船の保険をめぐる係争が…という筋書き。タイトル通り、死者の秘密と利益を求めて、各々が血みどろの争いを繰り広げる、ノワール色強いドロッドロの冒険小説。最後のどんでん返しの連続と、事件の真相に感服。悪人ばかりで本当に素晴らしい。冒険小説としてよりは、ハメット寄りのハードボイルド、ノワール系の系譜と思って読むべし。ラストもしんみりしつつ胸糞悪くならない良い読後感。素晴らしい1冊でした。2018/05/08
魔魔男爵
6
冒険小説と言うよりハードボイルドジェンダーミステリ。ミステリの要素が強いが、事件の真相を推理出来る者はいないであろう。殺人の動機が素晴しいジェンダーテーマになっている。こんな悲劇が起こらない為に我々はジェンダーについて深く考えねばならない。2009/07/18
ねんこさん
2
これまで読んだ他作品に比べるとミステリー色が強め。ラスト前まで真相が読めないプロットの組み方は面白かったけど、自分が求めていたもっとシンプルかつ無益な意地の張り合い系ではなかったかな・・・。2017/01/11
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- 和書
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