内容説明
元騎手で調査員のシッド・ハレーは、上院議員のエンストーン卿から持ち馬の八百長疑惑に関する調査を依頼された。しかしその直後八百長への関与を疑われた騎手が死体となって発見され、殺人容疑で逮捕された調教師も証拠不十分で釈放されたあと、不可解な自殺を遂げてしまう。真相究明に奔走するハレーだが、謎の刺客が最愛の恋人マリーナを襲う。不屈の男シッド・ハレーを四たび主役に迎えて、競馬シリーズ待望の再開。
著者等紹介
北野寿美枝[キタノスミエ]
神戸市外国語大学英米学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
15
2000年の夫人の死から筆を絶っていたD・フランシスが6年ぶりの“再起”に伴ったのが隻腕の探偵シッド・ハレーというのがうれしい。シッドが手掛ける調査は競馬の八百長疑惑と、それに関わる殺人事件で、読み始めたらページを捲る手が止まらない展開のうまさはお見事の一言。なによりシッドの魅力が格別で、これがシリーズ最終巻というのがなんとも寂しい。2020/11/03
Schunag
9
シッド・ハレー第4作、ディック・フランシス単独名義の最終作。本書の次からは息子フェリックスとの共著となる。なお邦題が「再起」なのは、実質的な執筆パートナーである夫人メアリーを亡くして以来シリーズが中断していたのが、本書で久々に(フェリックスの協力も得て)復活したことを示しているのだと思う。これまでのハレーもの(及び多くのシリーズ作品)では比較的早期に「犯人=敵」が判明していたが、本作はフーダニットのつくりで、そのせいかハレーものとしても少し風合いが異なる。2023/10/09
たいぱぱ
9
シリーズ物みたいですが、初めて読む作家さんです。図書館のリサイクルコーナーにあったので何となく読んでみました。うん、洋探偵モノにありがちな、ストーリーはそれなりに面白いけど、登場人物にイマイチ感情移入できないパターンでした。純粋に謎解きを楽しむタイプ。読後、これまたありがちに、シングルモルトをクールに飲みたくなってきた。2013/08/16
ふみふみ
8
不屈の男シッド・ハレーの第四作は恋人が脅迫のターゲットに。まあ内容の方はシッドに彼の理解者たる恋人ができてキャラがすっかり落ち着いてしまい二作目までの強烈なテンションが失われてしまっていることもあり競馬シリーズでは標準レベルの一作品の印象ですね。勝つためにすごく自分に対して厳しく冷酷で、自分自身の為に作り出した煉獄のような人生を生きている(先妻ジェニイ談)主人公シッド・ハレーを最後は幸せな普通の男で終わらせてあげたかった著者の配慮でしょうか。2020/01/11
ケイスケ
5
いつもながら面白い。シッド・ハレーものしか読んで無いがどれも面白かった。今回はマリーナのキャラ最高。マリーナとジェニイの関係最高。シッド・ハレーものはこれが最後らしいがはっぴいえんど。2017/07/06