内容説明
真冬の寒い日、レース場で起きた惨劇に観客たちは凍りついた。目の前で騎手が落馬し、馬に押しつぶされて死亡したのだ。友の突然の死に、哀しみにくれるガラス職人のローガンだったが、まもなく彼のもとに一本のビデオテープが届く。それは友が命を賭して彼に遺したものだった。が、中身をたしかめる間もなく、押し入った何者かにより、テープが強奪されてしまう。謎を秘めたテープをめぐり、熾烈な争奪戦が今はじまる。
著者等紹介
菊池光[キクチミツ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たこやき
10
目の前で落馬し、死んだ友から託されたビデオテープの争奪戦。何が映っているのかわからないが、なぜか執拗に受ける妨害。そして、攻撃してくる4人組の敵は、一体誰なのか? ビデオテープの謎と敵の正体。それぞれが車の両輪として少しずつ広がっていく様を楽しむことができた。著者、協力者である著者の妻、そして、訳者。デビュー時からのトリオ、最後の作品というのを抜きに楽しめた。2015/05/17
NICK6
8
主人公、ガラス細工製作者。いつも思うのだがDFの主人公のご職業って草食系。周囲への警戒に繊細と良識、理知的で冷静な言動も備わる。プロットがかなりハードボイルドだから、職種とのギャップ効果で陶酔にも似た興奮を味わう。そういえば時々辛辣な警察批判があるから、このシリーズ、警官刑事の主人公っていないかも?。さて閑話休題。今回の敵役は露骨で非道で執拗。言動はどこかB級ながら近親周囲を洗脳し隷属させる。今作は少年を呪縛から解放させる試みが冴えていて感動的。一方謎解明はある意味驚愕。いつものように脇役達はグッジョブ 2025/01/03
おくちゃん
7
ストーリーにちょっと無理があったかな?2024/05/13
ブル-ス
3
大障害レースの落馬事故でマーティン・ステュークリイが死んだ日、私たち四人は車でチェルトナム競馬場へ行った。 ジェラード・ローガン ガラス工芸作家2022/05/31
sarakura3
3
昔読んだことがあるということを読んでいる途中で思い出した。ビデオテープの争奪戦。でも内容はさっぱりと忘れていたので面白く読ませていただきました。 菊池光さんの最後の翻訳になるのですね、解説で知りました。 残り5冊はゆっくりとあじわって読みたく思います。2015/03/18