感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
84
探偵リュウ・アーチャーシリーズ第11弾。〔再読〕家族を愛するが故に、妻や娘に干渉しすぎる退役大佐の娘が父親に反発、意見を聞かずに男と結婚すると言い残し二人で旅立つ。リュウは、男の素性の調査を依頼されるが、男は偽名を使い妻殺しで手配されている事が解る。ハードボイルドの傑作ではあるのだが、特徴として社会的問題意識は、より人や家族を見つめる物語になってきた。今回アーチャーは家族内の愛情の深刻な問題を、観察者として見つめるスタンスを貫いている。終盤に向けて、二転三転する展開はミステリ系にとっても推理を堪能できる。2018/07/17
背番号10@せばてん。
32
1989年1月21日読了。リュウ・アーチャー シリーズ第11弾。あらすじは忘却の彼方。(2021年3月19日入力)1989/01/21
koo
12
再読。リュウアーチャーシリーズ11作目。娘ハリエットが連れてきた一文なしの婚約者の素性を暴くことを父親ブラックウェルから依頼されストーリーが進行します。後期作の中では人間関係がそこまで複雑ではなく屈指の読みやすさで中盤までは登場人物表に頼らなくても大丈夫なのはありがたいです(笑)そして終盤は派手なトリックはないものの意外性たっぷりのプロットでインタビュアーかつ傍観者アーチャーの面目躍如でラストも余韻が残ります。再読で改めて堪能できましたが今作も間違いなく傑作、アーチャーはイメージ通り、訳もいいですね。2024/05/24
Ribes triste
12
探偵リュウ・アーチャーシリーズ。人々の供述を積み上げていく中で、次第に明らかになる真実。その過程に飛び出す衝撃的な事実。面白い、そしてハマる。アーチャーはやっぱり格好いい。2018/06/04
ひじき
11
【ハードボイルド大会】原書。私立探偵リュー・アーチャーと主人公とするシリーズの中期作品。再読だが、まるで内容を忘れていたので初読同然。しかしすぐに、以前読んだとき「探偵って心理学者?」と思ったのを思い出した。物語は例によって捜査の依頼から幕を開けるのだが、依頼人である父親、その二度目の妻、24歳の娘に会った瞬間、家族の問題(心理的葛藤)の深さを彼は見て取るのだ。タフな口調も相変わらず。中盤ぐらいで事件は解決かと思いきや、彼が出かけていくと物語はさらにねじれながら発展し、驚愕の結末を迎える。溜息と共に読了。2015/07/29