ハヤカワ・ミステリ文庫
パンチとジュディ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 383p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150704131
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

結婚式前日、かつての職場、英国情報部の上司であるH・M卿に呼び出されたケンは、元ドイツ・スパイの老人の屋敷に潜入を命じられた。その老人が国際指名手配中の怪人物Lの正体を明かすと情報部に接触してきたので、真贋を確かめろというのだ。だが、屋敷でケンが目にしたのは老人の死体。事態の急変にめげず、ケンは任務を遂行し、式を挙げることができるのか?奇想天外な大犯罪を暴くH・M卿の名推理が新訳で登場。

著者等紹介

ディクスン,カーター[ディクスン,カーター][Dickson,Carter]
1906年、ペンシルヴァニア州生まれ。30年、アンリ・バンコランが活躍する長篇第1作『夜歩く』をジョン・ディクスン・カー名義で発表。33年『妖女の隠れ家』に初登場した名探偵ギデオン・フェルが人気を集め、『三つの棺』(35)でのフェル博士の「密室講義」はファンに高く評価された。またカーター・ディクスン名義でも、名探偵ヘンリー・メリヴェール(H・M)卿を生み出した。江戸川乱歩はカーを絶賛し、現在でも日本の現代本格作家に愛読者が多い

白須清美[シラスキヨミ]
1969年生。早稲田大学第一文学科卒。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aminadab

21
カー長編17冊目。『貴婦人として死す』解説(山口雅也)お薦めの6作へ行ってみよう。本作(1937年)は、情報小出しで不穏感を盛り上げる中期の手法を最初に試みた作かな。一人称の語り手はHM卿に強引に違法捜査を命じられたちまち警官隊に追われる身となる。語り手には捜査を翌朝までに終えなくてはならない事情があり、それこそ表題の暴力人形劇みたいな荒技で急場急場を凌いでいくが、その間事件の全貌は一向明かされない。HM卿酷すぎは平常運転だがいささか荒削りで「無条件ではないがお薦め」クラスか。ただしヒロインは2人とも○。2021/09/04

Tetchy

9
ホウゲナウアとケッペルの殺人事件の真相はちょっとがっかりした。遠距離で起きた2つの同種殺人(どちらもストリキニーネによる毒殺)の謎が非常に魅力的だっただけに残念だった。この二つの殺人は本作のもっとも際立つ場面であるのに、真相が明かされたら実は単なる物語の末節に過ぎなかったというのが驚いた。これがカーのケレン味なのか?ところで18章にて登場人物にさせられる犯人当てはもしかしたらカーなりの“読者への挑戦状”だったのかもしれない。その挑戦に私は敗れてしまったが、果たしてこの犯人を当てられる読者はいるのだろうか?2009/10/18

kagetrasama-aoi(葵・橘)

8
カーター・ディクスン、登録三十六作目。ヘンリー・メリヴェール卿の長編五作目。前作の「一角獣の殺人」から引き続いてケン&イヴリンのコンビが楽しいし、ファース的展開も好みです(o^∇^o)。以外な犯人、以外なトリック、そして胡散臭い(≧▽≦)?牧師の登場、もう最高です!でも強いて言えば動機をもう少し掘り下げて欲しかったかな。ケンウッド・ブレイクはこの作品で確か三作目の登場、H・Mにきりきり舞いさせられてちょっと気の毒です(*´∀`*)。終わり方がいかにもH・Mらしかったです、面白かったです。2018/12/12

UPMR

4
カーの中ではやや異色寄りだが傑作。不可能犯罪やオカルト趣味は薄く、タイプ的には盲目の理髪師とかのファルスの系譜。一角獣で登場したケンがHMの無茶ぶりから予想外の殺人に巻き込まれ、翌日の結婚式に間に合うか否かというタイムリミット・サスペンス的なドタバタ劇の展開が非常に面白い。一貫して「何が起こっているのか」が謎の焦点とされ、枝葉全てが繋ぎあわさった真相の鮮やかさもさることながら、犯人のある種のこだわりが印象深く、なおかつ安楽椅子探偵の地位に収まったHMが推理合戦の演出で示した企みにも唸らされる。オチも爆笑。2023/12/27

ホームズ

4
結婚式前日にH・Mに呼び出されたケン・ブレイク。Lと呼ばれるスパイの正体。ストリキニーネによる連続殺人事件。 楽しめたけど少し物足りないかな(--;)事件がどういうものかあまり掴めなかったかな(--;)ケン・ブレイクは『プレーグ・コートの殺人』『一角縦殺人事件』にも登場してたな(笑)2008/09/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/386427
  • ご注意事項