ハヤカワ・ミステリ文庫
読者よ欺かるるなかれ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150704124
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

女性作家マイナが催した、読心術師ペニイクを囲んでの夕食会。招待客の心を次々と当てたペニイクは、さらにマイナの夫の死を予言する。はたして予言の時刻、衆人環視の中で、夫は原因不明の死を遂げた!ペニイクは念力で殺したというが、逮捕しようにも証拠がない。遅れて到着したヘンリー・メリヴェール卿に、ペニイクは新たな殺人予告をするが…不可能と怪奇趣味を極めた著者のトリックに、読者よ欺かるるなかれ。

著者等紹介

ディクスン,カーター[ディクスン,カーター][Dickson,Carter]
1906年、ペンシルヴァニア州生まれ。30年、アンリ・バンコランが活躍する長篇第1作『夜歩く』をジョン・ディクスン・カー名義で発表。33年『妖女の隠れ家』に初登場した名探偵ギデオン・フェルが人気を集め、『三つの棺』(35)でのフェル博士の「密室講義」はファンに高く評価された。またカーター・ディクスン名義でも、名探偵ヘンリー・メリヴェール(H・M)卿を生み出した。江戸川乱歩はカーを絶賛し、現在でも日本の現代本格作家に愛読者が多い

宇野利泰[ウノトシヤス]
1909年生、1932年東京大学独文科卒、1997年没、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

334
テレフォースによる殺人という、B級くささがプンプンする内容ながら評判は良いので読んでみた。本筋の解決よりも、序盤でペニイクが他人の考えをスパスパ当てていくシーンにつける説明が陳腐でチープ。まぁコレくらいしかやりようないよな…と寛大な精神で目をつぶれば、それ以外は楽しめる。というか面白い。殺害に用いられたトリックは現代では通用しない時代に淘汰されたものだが、カーの愛読者ほど犯人に意外性を感じて楽しめそうであり、中盤のダレもないのでリーダビリティは高い。カーしか書かない、カーらしさに溢れた良作だと思う。2017/06/18

セウテス

89
ヘンリー・メリヴェール卿シリーズ第9弾。〔再読〕読心術士ペニイクは、念力により遠隔殺人を行うと宣言。彼を呼んだ推理作家のマイナは、夫に続き自身もベッドで遺体で見つかる。ペニイクの言葉通りに起きる死亡事件、念力というオカルトを証明出来るのか。物語の雰囲気がこれぞカー作品であり、本作はその中でもたいへん読みやすい。現代ではたぶん科学捜査にて、死亡原因や不気味な謎の部分が、トリックとしてはハッキリと解ってしまうのが残念ではある。しかし犯人の目的や動機に繋がる伏線、カー氏らしい匠なミスデェレクションを堪能できる。2019/01/30

koma-inu

36
HM卿シリーズ。怪しい読心術師が、館の主人の死を予言した。主人は、皆の前で原因不明の死を遂げる。挑戦的な題名に加え、文中に「ここに注意せよ」的なメタ説明があり、謎解き要素が満載に感じます。ただ、このメタ説明に、ちょっとした仕掛けがあって・・これを許容できるかが楽しみの分岐点です。第一、第二の殺人トリックは、共にバカミススレスレの、脱力もの。犯人はこの人にするか〜序盤にヒントがあったようですが。ミステリの反則ラインをついてくる、カーらしい作品。2025/05/25

本木英朗

24
凄まじい、けだものの叫びに似た悲鳴だった。サム・コンスタンスが、階段を一歩おりかけたまま、手摺に体を持たせかけていた。片手は手摺の柱にあてがい、片手はぐっと宙にのばされて、指先がひくひくと痙攣している。そして死んでしまった……という話から始まる。うーん、今回はもう駄目だと思ったよ、うん。というか1回目もそうだったんだけれどもねえ。とにかくH・М卿の名推理にやられてしまったよ。またいつか読みたいなあ。2020/01/14

kagetrasama-aoi(葵・橘)

24
カーター・ディクスン、登録四十作目。ヘンリー・メリヴェール卿の長編九作目。前作「五つの箱の死」に登場したサーンダース博士が引き続き重要な役割を果たしているこの作品。博士のその後が気になっていただけに、嬉しい再登場でした。念力で人を殺せると豪語する怪しげな人物、おどろおどろしい雰囲気、まさにカーを堪能出来ます。あちらことらに散りばめられている伏線回収のために、つい二度読んでしまいました。……前作に引き続きサーンダース博士のその後が気になります(●>ω<●)。2019/05/06

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