感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
336
ひどかった(笑)巨匠の本格ミステリでここまでひどいトリックはなかなかない(^_^;)ただし、トリック以外の部分、読み物としては結構楽しめる。特にH・M卿の笑劇が好きなむきにはオススメだったり。笑って楽しむしかないという事でもあるが、事件自体の不穏な空気感や登場人物の動きなんかは読みやすく雰囲気もあり、H・M卿の登場頻度が高くお笑い場面も多いのでダレづらい。トリックだけがバカミスですらない脱力物な事がホントひたすら残念。それにしても、スーツケースに車輪をつける事を最初に思いついたのがH・M卿だったとは(笑)2017/07/01
kagetrasama-aoi(葵・橘)
35
カーター・ディクスン、登録四十三作目。ヘンリー・メリヴェール卿の長編、ニ十一作目。バカミスと評判が高い本作ですが、私は嫌いじゃありません、いえ、むしろ好きです。HMのドタドタぶり際立ってますよね。英国サマセット州の或る村で誹謗中傷の手紙が行き交い、それが殺人事件へと発展。密室トリックは初読みの時はちょっと叫んでしまった出来。まあ、でも書かれた時期は1950年代初頭、お屋敷の灯りはランプのみです。それを思えばそこまで不自然ではないかも…。HMの思わせ振りな態度も最後まで読めば納得です。2023/07/31
koma-inu
25
3点 ディクスンカー屈指の無茶トリックと名高い作で、心の準備があったからか、良い意味で脱力度は少なかったです^^; メインは犯人である「後家」がいかに密室へ現れ去ったか、ですが、手掛かりは読者に大きく提示されているものの、見破りは困難。ラストは、クィーンの「十日間の不思議」を匂わせるシリアスさでした。2021/03/20
ホームズ
17
久々に再読。内容の割に話が長いかな~。登場人物たちのキャラクターが個性的だしH・Mが相変わらず元気いっぱいで面白いですけどね(笑)まあカーが好きな人以外が読んだら2度とカーを読まなくなるだろうけど(笑)2012/08/30
Tetchy
17
カー版コージー・ミステリとも云うべき、ストーク・ドルイドという小さな街で起こる小さな事件の物語。読中、セイヤーズの『学寮祭の夜』を思い出した。手元に本が無いので不明だが、両書のうち、どちらが先だろうか?で、本作の真相と云えば、いささか首を傾げざるを得ない。肝心の動機が曖昧だから。唯一、HM卿の奥さんの名前が判明したのだけがマニア向けの収穫か。2009/12/13