内容説明
メイスンのもとを訪れた豪快な老婦人は訴えた。ギャンブル好きの孫娘シルビアが、グリーブという男の経営する賭博船で多額の借金をしてしまった。その際書いた借用証を彼女の夫が悪用しようとしているので、それに先んじて買い戻してくれというのだ。船には、したたかな賭博師たちやシルビアの夫が顔をそろえ、なにやら不穏な空気が漂っていた。はたせるかな、グリーブが無残な射殺死体となって発見され、容義はシルビアに、そして彼女の逃亡を助けたメイスンも共犯容疑で手配されてしまった…。絶体絶命に陥った名弁護士の活躍。改訳決定版。
感想・レビュー
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bapaksejahtera
9
1937年作品。主に後期作品を読んでいたので目先が変わった。昔は鳴らしたと自負する老女の相談。賭博狂の孫娘は離婚訴訟中。孫には娘が。保護者不適格となれば、ひ孫には莫大な信託財産がある為、離婚成就で元夫には大金が転がり込む。それを見込んで賭博業者の悪漢が、借金証書を脅しの材料に使っているので、それを取り戻してほしいという依頼だ。引き受けた弁護士は頗るトリッキーな手法で悪漢に対する。案の定メイスンと孫娘に疑いが掛る。法廷場面が短く、船中の挙動描写から読者は思い描く必要。中々難しい。但しスピーディーで読ませた。2025/10/12
弾十六
3
★★★★★ペリー メイスン第10話。1937年4月出版 吠える犬の法廷を見て気に入ったという葉巻をふかす老婦人。このキャラが良い。わたし的に依頼人中ナンバーワンです。ドレイク探偵社の裏話(日当8ドル)が興味深い。騙しやハッタリに満ちた物語で、メイスンの大胆な行動とぬけぬけと押し通す鉄面皮がイキイキと描かれた傑作。 銃は38口径オートマチック(メーカー不明)と45口径オートマチック(多分Colt M1911)と謎の32口径S&Wスペシャル(32Spは存在しないので発言者が嘘をついてるということか?)が登場。2017/03/10
tomo6980
3
1937年の作品を1990年に再訳。今のカーやクイーンの新訳みたいなものか。90年代にはまだガードナーはハヤカワの主力であったのだな。おかげですごく読みやすかったが。でもまあ、もう一度復権しないかな。こんなに面白いのだから2016/10/07
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
3
☆×4.0…「賭博船」が絡む時点で怪しさがプンプン漂ってきますね。そう、どうやら借金をこしらえた当人の夫がなにやらよからぬことをたくらんでいるようで…今回もメイスンは逮捕の危機に見舞われます、被害はメイスンだけでなくドレイクのほうにも及んでしまうのです。本当に依頼人にまともな人はいないんですかっ!メイスンがその夫の計略をズタズタにするところの描写が爽快です。2010/11/04
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- 洋書
- False Hope




