出版社内容情報
名探偵エラリイが導き出した、十二年前の毒殺事件の真相とはいったい? 巨匠クイーンの〈ライツヴィル〉ものの秀作、新訳版刊行
内容説明
故郷ライツヴィルに帰還した戦争の英雄デイヴィー・フォックス。激戦による心の傷で病んだ彼は妻を手に掛ける寸前にまで至ってしまう。その心理には過去に父ベイヤードが母を毒殺した事件が影響していると思われた。彼を救うには父の無実を証明するほかない。相談を受けたエラリイは再調査を請け負うも、当時の状況はことごとくベイヤードを犯人だと指し示していた…名探偵エラリイが十二年前の事件に挑む。新訳決定版。
著者等紹介
越前敏弥[エチゼントシヤ]
1961年生、東京大学文学部国文科卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
345
★★★★☆ ライツヴィルシリーズ2作目。 12年前に起こった殺人事件の真相を掘り起こすため、エラリーがライツヴィルに舞い戻る。 このシリーズの特徴として、エラリーのロジカルな推理に加え、人間の内面が描かれている点が挙げられる。本作でも悩むフォックス家の面々の姿がしっかり描かれていて読み応えがあった。 ラストのエラリーの解説は見事だが、そもそもボネールが事件後すぐに現れていればベイヤードが犯人とされることもなかったと思われ、少しモヤモヤが残る。隠された第二の真相が割と予想の範囲内だったのも少し残念。2022/12/15
ぽんすけ
57
新訳やっぱり凄いわ、さくさく読める。ライツヴィルのそこはかとない田舎感が癖になる。住民達も一癖も二癖もある人ばかりだし。しかし今回の依頼はなかなか無理ゲーすぎて最初はどうなることかと思った。事件後12年も経ってるし皆過ぎ去った事件認定してるし。でもエラリーは自分がわずかでもひっかかる所があれば絶対引かないんだよね。事件の解決に関しては、国名シリーズのエラリーだったらどうしてたかな。今回の終幕は私としてはあれでよかったと思う。エラリーも年を重ねて、真実こそ全て路線から少し変わってきたのかもしれない。2025/10/20
Sam
55
クィーンの主要な著作は読んだつもりだったけど何故か未読だった本書。必ずしも評価の高くない作品だしそれほど期待せずに読んだのだが、ライツヴィルシリーズ特有の人間模様や雰囲気が漂っているかと思えば、初期クィーン作品で見られる職人芸の如き細かいロジックも健在。ストーリー展開にも無理なところがなく、(何となく予想の範囲内ではあったが)真相の意外性も十分。ということで、何十年ぶりかのクィーンはなかなかよかった。2024/04/13
koma-inu
49
戦争から戻ったフォックス大尉、12年前に母を毒殺した父の疑惑をはらすために、エラリイが再調査に臨む。クリスティのような、ラブロマンスと地道な捜査が終盤まで続き、それでいて読みやすい。やっと出た手掛かりが空振りに終わり、ラスト10頁になっても真相が見えない。しかし、たった一つの伏線により一気に犯人を割り出すのは、さすがの手腕。数々のダミー情報からコレに気づくのは難しい!仕掛けはクイーンの某作品に近いけど、後味は悪くないです。2025/01/03
Kiyoshi Utsugi
48
デイヴィー・フォックスは、戦争の英雄として故郷のライツヴィルに錦を飾ります。ただ、戦場でのトラウマもあって病んでいたデイヴィーは、妻のリンダを危うく殺すところとなります。 それは、過去にデイヴィーの母親であるジェシカを12年前に毒殺したという罪で父親のベイヤードが服役するという事件が影響していると考えられました。 このためリンダはエラリー・クイーンに12年前の事件の再調査を依頼します。 久しぶりに訪れたライツヴィルの街でエラリー・クイーンが活躍するというものです。 ライツヴィル・シリーズ面白いです。😀2021/10/26
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- 和書
- 近世部落の中世起原




