出版社内容情報
ダフ屋も売春婦もヤク中もヒーローだ! 51万部突破『言ってはいけない』の国民的作家が「超訳」で贈る、「ポリコレ」時代の劇薬
内容説明
転売屋、ヤクの売人、売春婦、満員の映画館で「火事だ!」と叫ぶ奴…「不道徳」な人々を憎悪し、「正義」の名の下に袋叩きにする現代社会。おかしくないか?彼らこそ、そうした偏見や法の抑圧に負けず私たちに利益をもたらしてくれる「ヒーロー」なのだから!自由という究極の権利を超絶ロジックで擁護、不愉快だけれど知らないと損する「市場経済のルール」を突きつけた全米ベストセラーを、人気作家・橘玲が超訳。
著者等紹介
ブロック,ウォルター[ブロック,ウォルター] [Block,Walter]
ロヨラ大学教授(経済学)。1941年生まれ。ブルックリン大学で哲学の学士号を、コロンビア大学で経済学の博士号を取得。アメリカを代表するリバタリアン(自由原理主義者)の一人
橘玲[タチバナアキラ]
作家。1959年生まれ。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。新書大賞2017を受賞した『言ってはいけない』は50万部を超えるベストセラーとなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
45
ウォルター・ブロックの著書(1970年代に出版)を橘玲さんが現代日本仕様に超訳した作品(なので、ホリエモンとかもでてくる)。現代社会では「売春婦」「ポン引き」「麻薬密売人」「恐喝者」「悪徳警察官」といった人種は現代社会では当然不道徳とみられているが、「それっておかしくないかね?」と疑問を呈した一冊、「いやいやおかしいでしょ?」と読み進めつつも絶妙なロジックで最後は「そういう視点もあるのね」納得してしまう内容となっている。ヤギワタルさんの表紙イラストも味があっていい。2020/04/04
読書ニスタ
36
売春婦、ヤクの売人、ダフ屋、悪徳警官…一見、如何わしいやりとりに対して、それは法が間違っているという、リバタリアンの主張。訳者、橘玲氏が言う通り、本書の目的は、読者を挑発し、混乱させ、怒らせることだ。麻薬戦争に敗北したアメリカが、ソフトドラックの解禁に踏み出しつつある。そうなると、禁酒法がなくなった時のように、ドラックが安価で高品質なものとして市場に流れ、何より、暴利を貪っていたマフィアは壊滅するだろう。 我々はどこまで容認するか、政治的な立ち位置を明確にして、決めていかなければならない。2020/02/08
yutaro13
31
原著は1976年刊行の古典だが、訳者の橘氏が少々長めの序説でリバタリアリズムの思想的位置づけを解説してくれるのが理解の助けになる。近年の米国では勝ち組(サイバーリバタリアン)と負け組(プアホワイト)の思想的連帯感が生まれていることは渡辺靖『白人ナショナリズム』でも指摘があり興味深いところ。本書自体は一般的に不道徳とされる人々をリバタリアンの視点から擁護するもの。「売春婦」や「ダフ屋」はともかく、「ニセ札づくり」や「満員の映画館で火事だ!と叫ぶ奴」まで登場する。自由原理主義とはかくあるものか。2020/10/03
zoe
28
実はかなり古い。訳者は、日本に実情に当てはめて訳しているため、理解し易い。世間からは評価されない、むしろ悪役とされる物の中には、実は実社会として有効なケースがあり、現状の法律が整備されたせいで、社会的に不利益を生み出しているものもある。自分自身で原理を突き詰めながらも、人生を進めるためにどのように解釈し、どのように自分に応用していくかは、自分自身である。フェアって何だろう。自分の信念ってどんなものだったか。職場のあの人って、こんな考え方?などと思いながら、ニヤニヤがあまりできなかった本。2020/03/29
ごへいもち
27
表紙で原著者より訳者のほうが大きな字で表示されていることでも予想されるがかなり意訳・超訳。納得しにくいことも多く、だんだん飛ばし読みになってしまった2020/06/06