出版社内容情報
《NYタイムズ》の名コラムニストが、偉人10人の生涯を通して「人格」を磨くすべを語る。大人版『君たちはどう生きるか』
デイヴィッド・ブルックス[ブルックス デイヴィッド]
著・文・その他
夏目 大[ナツメ ダイ]
翻訳
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
45
謙虚になると、他人を称賛したくなるし、他人と協調する気になる。他人への感謝の気持ちも生まれる。心地の良い感情である(36頁)。大切な答えは必ず自分の心の中にある。自分は人生で何を得たいと思うか(60頁)。私は12,000冊から何を得たか? それは、図書館の文化資産への感謝であろう。読書メーターのお気に入り登録者への深謝である。2021/11/12
slowlifer
27
人間の本性には2面性がある。職業的な成功を求めるアダムⅠと道徳的な成功を求めるアダムⅡ。前者は強みを伸ばして自己の名声を求め、時にはずる賢く立ち振る舞うことを求める。自己の探究に始まり、自己実現に終わる生き方。後者は弱みと向き合い内面を磨き、人格を高める生き方。他人を能力ではなく、その人の持つ価値で判断する。日本では比較的馴染みのある考え方。昨今の世相では、少数に富が集中し、民主主義も情報操作され、分断が進んでいると思える時もある。自己実現と社会的成功を第一義とする風潮に警鐘を鳴らした書籍。2019/02/10
hiyu
10
最初のアダム1と2でどのように展開していくかと思ったが、偉人達がいかにしてその生を送ったか、それについて触れており非常に良かった。読んでみて、こういうタイトルになったのは非常に好み。2020/10/05
ともふく
10
個人の意思が尊重され、自己実現が重視されるのが今の時代だが、少し前までは使命のために自己を捧げる生き方が重視された。過去の偉人を取り上げ、その人の生き様を詳しく辿る構成となっている。私はマーシャルプランで有名なマーシャルの生き方が一番響いた。しかし、ストイック過ぎて、なかなか真似は難しいが。2019/09/14
うえ
9
「現代の社会では、「罪」は、誤り、無神経といった言葉に言い換えられていることが多い。また、「美徳」や人格、あるいは「悪徳」や邪悪といった道徳に関係する言葉も、めったに使われない傾向がある。だからといって、人生における道徳の重要性が減ったわけではない。単に…道徳の存在が見えにくくなっただけだ。相変わらず人生の根本にあり、咲けて通ることはできないのだが、それがわかりにくくなっている。本当は道徳について話している時でも、使う言葉が不明瞭で曖昧なために、日常生活における道徳の重要性が忘れられがちだということだ。」2020/10/20