内容説明
1990年代末、オークランド・アスレチックスは資金不足から戦力が低下し、成績も沈滞していた。新任ゼネラルマネジャーのビリー・ビーンは、かつて将来を嘱望されながら夢破れてグラウンドを去った元選手だ。彼は統計データを駆使した野球界の常識を覆す手法で球団を改革。チームを強豪へと変える―“奇跡”の勝利が感動を呼ぶ!ブラッド・ピット主演で映画化された傑作ノンフィクション、待望の全訳版。
著者等紹介
ルイス,マイケル[ルイス,マイケル] [Lewis,Michael]
1960年ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。プリンストン大学で美術史の学士号、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学の修士号を得たあと、ソロモン・ブラザーズに入社。債券セールスマンとしての3年間の経験をもとに執筆した『ライアーズ・ポーカー』で作家デビューし、同書は世界的ベストセラーとなった
中山宥[ナカヤマユウ]
翻訳家。1964年、東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
261
山勘を徹底的に排除した野球ってそうなるんだと感じた。日本でもこのような理論を実践したプロ野球チームはあるかな?2016/02/13
六点
98
データ解析で選手を分析し、お金をかけすぎずに強いチームを作った男の物語。いくらアイディアがあったところでメジャーの1軍半を選手がGMになれるところはアメリカらしくて素敵である。しかし、もの悲しくなるのは、金満チームが同様な手法で選手を分析するようになった途端、アスレチックスの成績が悲惨な事になってしまう世知辛い現実である。そんな事はこの本では書いていないけど。2024/01/03
Nobu A
60
成毛眞推薦本其の廿壱。ビリー・ビーンの「チャンスで打てる、打てない」は「ただの運じゃないか」がとても印象的。社交クラブのMLBにサイバーメトリックスと言う理論武装を纏い、実践化していくオークランド・アスレティックスのGM。平均化出来ないプレーオフは別として、長いレギュラーシーズンでの統計が持つ重要性を考えさせられる。確率の問題はスポーツ全般に当てはまる。要は分析力。示唆にも富む。また、最近よく目にするOPS等の理解が増した。出塁率が鍵だが、点が入らないと野球は勝てない。現在のフライボール革命へと繋がる。2023/05/02
雪風のねこ@(=´ω`=)
60
出塁率に拘ったメンバー集めやバント盗塁をしないという点は、ある意味バンクーバー朝日軍を思い起こす。素質ある(スカウトの目に掛からない)若手を安値で買い、年俸が高くなったら売るという経営方針は残酷に見えるんだけど。野球界は一種の社会クラブの様で、という解説は納得のいく話で、無闇に年俸が高騰したり、選手が故障したり、社会クラブという特殊な閉鎖空間であるからこそ俸給の割に選手が育たないとも思う。ある意味丁寧に人材発掘していると言える。この書籍が会社経営者に受けたというのも興味深い。図書館にないので寄贈します。2015/12/12
ヘラジカ
58
当たり前と言えば当たり前だが、映画版よりも圧倒的に情報量が多く、ただの「目を引くドラマ」だけで終わらない示唆に富んだ書である。MLBのファンなら最初から最後まで余すことなく楽しめるだろう。野球にとっては一つの歴史書と言っても言い過ぎにはならないかも。かなり広範の分野に及ぶマネジメントの教科書になり得る書でもある。ビジネスにも有用の名著なのは論を俟たないと思う。WBC後にMLBに興味を持って毎日情報を追っている方には是非とも読んでもらいたい。主人公たる当のアスレチックスが今期ボロボロなのは残念ではあるが…。2023/06/24