出版社内容情報
ノーベル化学賞受賞の準結晶についても紹介! 芸術作品だけでなく自然の事物や株式市場まで登場する魅惑の数を語る、決定版数学読本
内容説明
無限小数を用いた1:1.618…は、最も美しい比率「黄金比」と呼ばれ、古代からさまざまな芸術作品に用いられてきた、とされる。この比率は、古くから数学者たちの注目を集め、幾何学の基礎を作ったユークリッドまでさかのぼる歴史を持つ。オウムガイの殻のでき方やヒマワリの種の配列のような自然の事物、音楽や文学、はては株価推移のグラフをも支配するという、この神出鬼没の黄金比の魅力と真実に迫る、決定版数学読本。国際ピタゴラス賞及びペアノ賞受賞。
目次
1 φへのプレリュード
2 音程と五芒星形
3 星を指すピラミッドの下に
4 第二の宝
5 気だてのよい息子
6 神聖な比例
7 画家と詩人はどんな思い切ったこともやってよい
8 タイルから天空まで
9 神は数学者なのか?
著者等紹介
リヴィオ,マリオ[リヴィオ,マリオ][Livio,Mario]
宇宙物理学者。アメリカの宇宙望遠鏡科学研究所の科学部門長をつとめた。宇宙の膨張からブラックホール近傍の物理現象、知的生命の創出など、関心は広い。『黄金比はすべてを美しくするか?』で国際ピタゴラス賞とペアノ賞を受賞した
斉藤隆央[サイトウタカオ]
1967年生、東京大学工学部工業科学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
35
子供が黄金比にはまったことがあって、博物館について行かされたり、本を買わされた中のひとつ。自然界に存在する黄金比の多さには驚いてしまう。本書では、数学にも見解を示していて、数学は人間の作った道具か、真理かというところまで踏み込んで、好奇心を刺激してくれます。子供はこの本を読んで、動物や昆虫や植物が黄金比を使うにはメリットがあるはずで、人間の生活にそれを使わないのはなぜかと不思議がってました。わたしには全然わからないです。★52017/11/27
姉勤
26
1対1.618.33...の比。黄金比に対する何者かの意思、もしくは計算が働いているのではないか。と思ってしまうほど、人間の心理やフラクタルな法則は説明できる、と。無理数で無理な自分には、理解は及ばないものの気づきや思考ゲームとしての面白さはある。愚行するに、黄金比は地球の重力界の中で運動する、生物・非生物にとって、力やエネルギの流れとして、一番都合の良いバランスなのではないのか。それを人間が勝手に”良い”と感応したり、創造主の存在を妄想している。そもそも重力は神が創った働きってんなら、神はいるんだろう。2022/08/06
手押し戦車
21
ピラミッドや有名絵画は黄金比と言うか数字が使われている。実際、絵を描いたり、建築物を作る時に黄金比を使って作ったとしても都合良く計る位置を変えて黄金比と言う言葉によって本来の美しさを見抜けなくなってしまう。規範を打ち破って独創的な新しい美を生み出していくのが芸術家。黄金比を使ったから美しいのではない。美しいのが出来た時にそれが黄金比に近い時がある。美しいというのは一定ではないから人の心が動く。創造力によって生まれた物事には全てオンリーワンの美しさがある。人にはそれぞれ個性があるのと同じ。2015/07/01
ひろ
20
見た目の美しさだけでなく、フィボナッチ数に関連する数学の謎や、極めて実用的な意味を秘めている「黄金比」。神出鬼没でありながら私たちの身の回りに確実に姿を見せるその比の正体は、もはや美しい云々では語れない数のロマンに満ちあふれている。最終章、黄金比にまつわる神秘性を「なぜ数学は宇宙をこうも見事に説明するのか?」という疑問へとシフトしていく部分もスムーズで、科学者としての技量を感じさせる。色んな本で絶賛されていたので期待度はかなり高かったが、予想を超える面白さで本当に素晴らしかった!2015/04/13
月世界旅行したい
10
実務的な内容だと思っていたら、少しちがった。タイトル通りの本ではあるけれど。2015/08/16