内容説明
「こいよ、あばずれ。おれと一緒に地獄へこい」―精神病棟の静寂のなか、頭の奥から悪魔の囁きにも似た「声」が響く、他の誰にも聞こえない声が…17歳の夏、“優等生のロリ”が突如病魔に襲われた。苦悩と錯乱の毎日。だが彼女は負けなかった。勇気と希望をもって病に立ち向かい、ついには心の平安を取り戻したのだ。ロリ自身が綴った貴重な体験日記と、家族や友人、医師の証言をまじえて描いた感動の闘病ドキュメント。
著者等紹介
シラー,ロリ[シラー,ロリ][Shiller,Lori]
1959年生まれ。退院後は中間宿舎でカウンセラーをつとめるかたわら、医師、看護婦、患者を相手に精神分裂病に関する講義をおこなっている。精神病財団の公式スポークスマン
ベネット,アマンダ[ベネット,アマンダ][Bennett,Amanda]
「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙の記者。1975年ハーヴァード大学を卒業。北京特派員を経て現在はニューヨーク本社勤務
宇佐川晶子[ウサガワアキコ]
1974年立教大学英米文学科卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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AR読書記録
6
“精神病”のひとが実際どのような状況にあるのか、このような証言はとても大事なものだろうと思う。ところでアメリカでの出版当時(1994、よりも前だな)治験薬として使われ始めたという、ロリを回復に導いたクロザピン、その後どうなっているのだろうと思ってぐぐってみたら、日本では2009年にようやく認可されていた。わりとタイムラグあるものなんたなー。2016/01/22
みずいろ
2
分裂病がどのようなものなのかがよくわかった。精神病と聞くと私達は恐れを抱いてしまいがちだが、病気ではなくその人自身をきちんと見なければいけないのだと気づかされた。2012/07/29
にゃおまる
1
まったく静かな部屋じゃない。 家族、医者の話も乗っていて時系列が今までの分裂病の本の中で一番解りやすかった。2017/02/07
_k_m_k
0
この本を読むことで、精神分裂病患者への理解だけでなく、自分と感じ方が違う人やマイノリティーへの理解にもつながりそうな気がする。 「人と接する」とは何かを考えさせられた。2011/01/18