内容説明
ナンキンムシの雄が生きていくために同性愛に走るのはなぜか―交尾の成功率をあげるために、かれらの精液は異常に量が多い。かつ精液はタンパク質の塊である。これを放っておく手はないとばかりに、雄たちは互いの精液をやりとりし、栄養源にしているのだ。ナンキンムシ、バッタ、寄生バチなどの奇想天外な生態を探り、身近な自然にひそむ発見のおもしろさに肉迫する。昆虫学の第一人者が愛をこめて贈る、楽しい虫の本。
目次
1 ナンキンムシ、サシガメ―接吻の好きな昆虫たち
2 バッタの年
3 寄生バチ―かれらはどのようにしてペイトン・プレイスをつくったか
4 沈黙の春、にぎやかな春
5 自然は必要か?