内容説明
昆虫は小さい。しかし、これら昆虫こそ、地球の動物種の80パーセント以上を占める、見えざる支配者なのだ。人間の男がマリリン・モンローを愛するように、超正常刺激を求めて自分の4倍も大きな雌を追いかけるチョウもいれば、求愛サインを送って異種の雄をとらえ、貧り食う雌ホタルもいる。トビムシ、ゴキブリ、トンボ、コオロギ、ハエの、いじらしくもすさまじい自然淘汰の世界を語る、ナチュラル・エッセイの決定版。
目次
1 町はずれのベランダから見た宇宙
2 土のなかの街―トビムシの世界
3 ゴキブリの知的世界と感情の世界
4 水のトカゲと空の龍―ヤゴとトンボ
5 詩人コオロギと拳闘家コオロギ
6 魔術を擁護するために―ホタルの物語
7 天国の牧場の間奏曲―チョウ
8 空飛ぶならず者への讃歌―ハエ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
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ゴキブリの章を読んでいたときは喫茶店でアイスコーヒーを飲んでいて、トンボの章を読んでいるときには(特にヤゴについて)、中華料理店で小籠包をつまんでいた。2013/03/18
休ご
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とても美味しい本だった。ゴキブリを求めてこの本を読んでいましたが、虫好きの住人達が織りなしすセリフには、面白さと同時に勇気を与えられてしまった。つい他の昆虫の章も読んでしまった。 特に気にいったのは、ハエの章で引用された鏡の国のアリスのセリフ。 ヌカカ:「君のいたところではどんな虫にめぐまれていたのかい?」アリス:「虫なんかめぐみじゃないわ」 同じ本を読む人は、まずアリスの立場に立つかもしれなけど、この本の住人はその立場をヌカカの言葉に傾けてくれるかもしれない。それくらい彼ら虫達は未知であふれていた。2022/01/31