ハヤカワ文庫
日本 権力構造の謎〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 514p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150501785
  • NDC分類 302.1
  • Cコード C0136

内容説明

国際社会において期待される行動を十分にとることもできず、諸外国からは奇異の眼で見られている国、日本。権力をもつ者たちが力の均衡をはかりながらも究極的な責任主体はどこにも存在しない、というこの奇妙な社会のあり方を〈システム〉と名づけた著者は、膨大なデータをもとにその謎を大胆に解きほぐしてゆく。新たに今後の社会動向を展望した章を加筆しての文庫新版。

目次

9章 リアリティの管理
10章 文化にかこつけた権力
11章 宗教としての〈システム〉
12章 支配する権利
13章 儀式とおどし
14章 支配力強化の一世紀
15章 不死鳥の国
16章 世界にあって世界に属さず

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

45
折衷主義vs.日和見主義。根底の”家族”概念と大和魂?!思考停止ではなく、決定回避。故にコンセンサス主義とは、言い得て妙。但し、現代にも続く政治的選択の不在。池田元首相の「船頭と羅針盤」の政財関係比喩は、皮肉にも国民の不在を暗示。一方の「個」。吉田元首相から安倍首相までの戦後リーダーを振り返る・・・。吉田氏、中曽根氏等の数少ない例外を除く短命政権故に見えない「個」。派閥、人脈・・。共通のツクリ。政治的可能性、国益に基づく戦略立案、そしてその実行力に問題という印象。呆れるよなぁ。2016/06/06

KAZOO

37
後半は文化や宗教などについての分析があるのですがやはり一番言いたかったところは15章の「不死鳥の国」、16章「世界にあって世界に属さず」でしょう。この2つの章に著者の結論があると感じました。比較的表面的な分析をする外国人は多いのですが、ウォルフレンは突っ込んだ分析をしていると思いました。2015/01/10

cronoq

5
本書に書かれているのは、ズバリ『わたしたち日本人は誰にどのように支配されているのか』。日本に暮らす者には当たり前である実に些細な事例を積み上げて得られる、『管理されたリアリティ』の裏側の実態には、思い当たる点が多すぎる。私達を支配するものが、1945年にも1868年にも途切れることなく漸進的に進化してきたとの分析は鋭い。また、1994年に出版された文庫の『文庫新版への結び』も1989年からの5年間についての実例満載で秀逸。2011年になっても続くこの権力構造について、多くの人に考えてもらいたいと切に願う。2011/08/14

マギカ鍋

4
20年以上前の本ながら鋭い分析。批判は建設的ではなく、むしろ現実を認め目を逸らされている問題を再認識する事に意味がある。それ自体は美徳でも現実社会に広がった時の弊害は再認識すべきかもしれず、それがこの本への抵抗感の正体だろう。権力というと抵抗を覚えるだろうが責任者不在の国家には不安を拭えない。個人の異議を法に訴える事が非難されやすく何よりも自分自身を責めるような誘導をメディア等を通じて受けているならば認識を改めるべきだろう。突飛だが官僚が抱える問題や抗争を表に出せれば問題の本質に向き合えるのかもしれない。2013/03/05

Mark X Japan

3
最後の方は著者の主張に頷けない部分がありますが、本質的な部分では今も著者の分析のままだと思います。どのような方法にも長所・短所があるので、著者の主張を鵜呑みには出来ませんが(特に改革派と期待した政治家)、外国人の視点での日本の分析は貴重です。最近の著者の作品も読んでみたいと思います。☆:3.52016/06/05

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