内容説明
アメリカ最大手の出版社ランダム・ハウスの創立者ベネット・サーフが、ベストセラーを作る天性のカンと行動力で邁進した50余年の半生。小さな文芸書シリーズから出発した彼は、おりからの豪華本ブームに乗って、ランダム・ハウスの基盤を作りあげる。ユージン・オニールの懐にとびこんで信頼を得た話、発禁書『ユリシーズ』をいかにして刊行にもちこんだか、新人発掘の苦労と醍醐味…。変人ぞろいの作家を相手に、ときに怒り、ときに失敗しながらも、若きサーフはアメリカ出版界の一翼を担う実力を蓄えていく。
目次
少年時代
コロンビア大学
最終学年
ニューヨーク・トリビューン紙
駈けだしの頃
出版業入門
はじめてのヨーロッパ旅行
出版社経営に乗りだす
『アメリカの悲劇』
ランダム・ハウス誕生
フィレンツェのD・H・ロレンス
ランダム・ハウス出帆
株式狂乱―1929年
ホラス・リヴライト追悼
偉大な劇作家ユージン・オニール
『ユリシーズ』
『失われた時を求めて』
女傑ガートルード・スタイ
詩人たち
戯曲
商売人バーナード・ショー
新人発掘
共同経営者ボブ・ハース
フォークナーの葬式
ローズヴェルト大統領
ノーベル文学賞シンクレア・ルイス