内容説明
空に現われる時、世界各地で凶事が巻き起こるというハレー彗星は、記録に残っているだけで、今までに32回地球を訪れている。33回目の訪れを前に、過去の歴史を調べてみると、ハレー彗星が出現する時、本当に災事が起きていた。災いをもたらすというのは、迷信ではなかったのか?最近、アメリカのテクノロジー開発に冴えが見られず、進化論否定勢力が盛り返している。今、アメリカの科学界を、土台から揺さぶるものは何なのか?―未知のものを解明していく過程にこそ、大きな喜びがあるというアシモフの、好評科学エッセイシリーズ第9弾!
目次
第1部 物理学
第2部 化学
第3部 天文学
第4部 数学
第5部 関連
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
進化の道は一つではなく科学が真理を約束することもないが、著者が科学に信を置くのは自然を確率的に捉える努力を怠らないからだ。現在を確率過程の結果と捉える科学は、現在を原因として時間間を線状に広げる人間的世界観に異議を唱える。原題が“X Stand for Unknown”という本書では、Xは未知を「表す」に留め、未知自身ではないと捉える。ハレー彗星と災いの関係を占星術から証明する過程を皮肉をもって描くのは、自らの外に自然を置く人間中心主義的態度への批判だろう。珪素生物の可能性は確率的にありうると著者はいう。2023/08/26
mak2014
2
アイザック・アシモフの大いなる功績に科学エッセイが挙げられるだろう。レントゲンを扱った表題作などいずれも楽しくおもしろい。2013/01/12
広中錫
0
+7 X STANDS FOR UNKNOWN by Isaac Asimov 19832016/01/07
aki
0
アシモフの科学エッセイ第9弾。他の巻も合わせれば、一つのテーマだけで(たとえば、元素)1冊になるだろうが、文系の人間にはちょっと退屈かな。この本のようにバラエティーに富んだ内容のほうが読みやすい。占星術や根本主義者(原理主義者→聖書の内容を一字一句すべて真実だと信じている者たち)に対する痛烈な批判の「大地の円」「夜の軍隊」の2編が、ひときわおもしろかった。もっとも科学万能論者ではない。「はじめに」で「科学は絶対の真理を約束はしないし、そういうものが必ず存在すると考えてもいない」と科学の限界を示している。2012/08/24
sanewo
0
昔読んだ1999/01/01
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- 和書
- 倫理学的省察