感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takizawa
4
ロー進学の際に読んだ本。ロースクール1年目の青春が描かれている。かなりえぐい(笑)。情報を独占しちゃう学生の話とかやったらリアル。たぶんこの本,日本の法学者のほとんどが読んでいるのではないかな。もっとも,ここで紹介されている姿は,某法哲学者が評するに,「時代遅れ」なのだそう。現在は本家ですらやっていない「ソクラティク・メソッド」になぜ日本は固執するのか,学生に質問するのはまったくもってナンセンスで,学生から質問させるべき,というようなことを仰っていました。2009/12/03
Daaaa
3
私がロースクールの一年生だった頃、少なくとも、著者が経験した、胃がピリピリするような感覚に襲われることはなかった。本書に描かれているハーヴァード・ロースクールでの生活は、正に恐ろしいといった言葉がぴったり当てはまるものであり、アメリカのエリートたちの競争の熾烈さ、そこから生まれる奇妙なエネルギーの蠢く様が見事に描かれている。主人公(著者)が判例を初めて読んだときに抱いた感想が、「まつ毛でコンクリートを掻き混ぜるような感じ」とは、言い得て妙である。2017/10/01
あああ
1
薦められたから読んでみたものの、何とも複雑な気分にさせてくれる一冊。著者を真似て1つだけロースクール制度の矛盾的なものを言わせてもらうと、日本だと法学部で良い成績取った人ほど、未修に入るときも入ったあとも優遇される・・・と聞いたのだが・・・?2014/08/18
Tetchy
1
今現在のアメリカの裁判が道徳とか倫理といった所謂通常守られなければならない“正義”よりも理論や議論でクロをシロへと捻じ伏せる“テクニック”で成り立っている根源がこのロー・スクール―とりわけハーヴァードの―の1Lの授業形態、試験形態にあるとトゥローは云う。一言で云うならば“人間性の欠如”にあると作者は云う。恐怖で縛る授業、それを克服するための途轍もない勉強量と時間、そして生まれる「他人よりも優位に立ちたい」という気持ち、即ち“敵”の覚醒。何とこれらは現代日本の教育システムの歪みその物ではないか!2009/04/17
ELW
0
地方の公立高校のトップが、東大文1やそれに類するところに進学した ならば、ヒエラルキーの形成が完了するまで同じような経過を辿るのであ ろうか。科挙……『蒼穹の昴』を読んでおいてよかった!?2014/06/25