感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
55
バストーニュの包囲戦が、天候の回復による空軍の活動によって転換期を迎えたというテレビ番組を見たことがあるが、本書によればそれはひとつのきっかけにすぎないようだ。本書ではアメリカ航空隊が味方を誤爆する話まで出てくる。またアメリカ兵が犯した捕虜殺害など、アメリカにとって都合の悪い逸話も掘り出されている。戦場のミクロな描写と、将軍達に新聞が絡む宣伝合戦、そして適切な地図を添えた戦局の遷移など、精緻な取材に基づいた労作だ。「民主的」なアメリカ兵たちが叩かれる中で敵に殺意を抱いていくが、これも戦争の恐ろしい一面か。2023/09/15
鐵太郎
11
様々な局面を経て戦線は膠着し、ついにドイツ軍は行き詰まります。かくしてヒトラーの賭は失敗し、ドイツ軍は敗退し、この戦いによって消耗した軍備によって戦争終結は半年早まりました。では、どうすればよかったのか、などを妄想する事も面白いのですが、まずは史実を押さえることも大事ですね。この本が書かれた時点で判明していなかったことはたくさんあります。しかし、戦争が終わって10数年の時点で、これだけのものを調査し、これだけの記録にまとめ、読み物としても面白い本に仕上げた作家の技量に感謝したいものです。2009/05/26
植田 和昭
10
難行苦行。上下読むのに2か月もかかってしまった。文章が読みづらい。大日本帝国の興亡では感じなかったが、話があっちこちいくので読み進めにくい。膨大な人に聞き取り調査をしたが全体像としてはまとめられていないように感じた。地図も観にくくてどこで反撃したのかドイツ軍はどう進んだのかよくわからなかった。映画もスペインでロケしたのでへんてこな場面で戦闘が行われるし、現実にドイツ軍の戦車が燃料集積場へ向かったことなどない。荒唐無稽な映画だった。特にヘンリーフォンダが一人でアメリカ軍を救ったかのような扱いには納得いかない2024/12/21
hsg
4
下巻はバストーニュを巡る攻防が中心となる.占領都市の市民の,ドイツ軍に対する表の顔と裏の顔との対照が印象に残った.極めて近接した戦闘になったために戦線が流動的になり,場所によってドイツ軍が包囲されたり連合軍が包囲されたりと,入り組んだ形になっている.戦闘経験がなく怖気づいていたF中隊が,戦闘へ駆り出された後,いつの間にか勇敢な兵士になっていたエピソードは面白かった.天候回復で投入できるようになった航空兵力と,増援に入った火砲とで最終的に突出部のドイツ軍をフルボッコにする様は,やはりアメリカ軍だなと感じた.2017/11/19
tai65
3
星5つ2021/10/18