感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
62
ジョン・トーランド1959年の作品。邦題はおそらく同じ戦いを描いた大ヒット映画からで、原作というわけではない。多くの戦闘参加者への取材から戦場の様子を構成、上巻はバストーニュが完全に包囲されるところまで。当然アメリカ側の取材が多かったため、そちらが多くなるが、ドイツについても取材に基づき、かなりフェアな書き方をしている。このドイツ最後の攻勢は燃料の補給で頓挫することになるが、その傾向はすでに上巻の中にも現れている。最近大木毅監修で単行本が再発されたようだが、確かにそうする価値のあるドキュメンタリーだ。2023/09/14
鐵太郎
21
ノルマンディー上陸作戦が1944年6月に行われ、ドイツ軍は徐々に本国へ追い込まれて行きます。ヒトラーはこの不利な情勢をひっくり返せるような反撃作戦を考えました。北部の英国軍と中部の米国軍の境目に兵力を集中してここを突破し、連合軍の物資集積所があるアントワープ(アントウェルペン)を占領し、一時的な優位を得て講和に持ち込もうと考えたのです。この考え、レイテ沖海戦(捷号作戦)を考えた日本軍と似ているのかも。最後に一発喰らわして引き分けに持っていこうという。同じように無理な賭に出て、同じように敗退した訳です。2009/05/26
植田 和昭
14
表紙が映画バルジ大作戦の写真になっていますが、全然関係ありません。あの映画自体あまりにも史実とかけ離れているために訴えられたほどです。特にへンリーフォンダが気に入りません。この本は、詳細なインタビューに基づいて史実に忠実に組立られています。サンビト陥落までのドイツ軍の動きを記述しています。パイパー戦闘団が大暴れですが、ツルアポンで橋を爆破されてからはケチがつきます。第101空挺師団がバストーニュを死守しますが、これがためにドイツ軍のミューズ川突破はなりません。次は下巻です。2024/11/10
hsg
5
第二次大戦末期のドイツ軍の大反攻と連合軍の反応を追ったドキュメンタリー.前半はサン・ヴィトの陥落まで.夜間や悪天候,通信の遮断で情報収集がうまく行かない中,連合軍がなし崩しに退却し更なる混乱を生じるところがあった一方,絶望的な状況にあって勇敢に拠点を守り抜く姿も描かれている.山間部や森の深い地帯での戦闘で,敵との距離が肉薄しており,前述のような状況も相まって見通しの利かない状況の中で,苛烈な戦いが繰り広げられたことがうかがえる.友軍を誤爆し続けた爆撃隊が「アメリカのドイツ空軍」と呼ばれたというので笑った.2017/11/17
tai65
3
星5つ2021/10/17