感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
12
ダンチヒの陥落から始まります。ロシア兵が「フラウ・コーメン!」の叫びと共に街になだれ込み、暴行の限りを尽くす戦争末期の姿。この後に及んでいまだに自分の幻影しか見ずに国防を指揮し続けるヒトラー。ランスにて、連合軍によるベルリン占領は諦めてソ連に任せるという、恐らく第二次大戦で最悪の判断をしたアイゼンハワーの意図は何か。映画で描かれた、地下防空壕の会議室でのヒトラー最後の怒号。最後に死んだ三人の元首、ムッソリーニ、ローズヴェルト、ヒトラー。トーランドは、こうやってこの歴史を描き出したのでした。さすがです。2019/05/30