感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
23
161戦争映画でもお馴染み英国人は頭が固い動きが遅いと米軍や独軍から揶揄されているけど、これは白昼堂々とドーバー海峡を独戦艦艦隊に突破されたという実話の大失態で正に絵に書いたような典型的な英軍な感じでした。頭カチコチで他の部隊と連携せず情報交換もせず忠実に命令を守り敵艦発見の報告もせず各隊は状況も標的も知らず右往左往しながら単隊で攻撃し時代遅れのソードフィッシュ隊は悲劇的に壊滅し損害の割には戦果無しという無様さ。英軍が設置した木製ダミー砲に独軍は木製爆弾で攻撃するユーモア今回はヒトラーの予見通り独軍の勝ち2020/12/06
鐵太郎
10
ソフトカバー本が見つからなかったので、古本を買ってしまった(あとでSC本は見つかったのでそちらの項目へ)ので読み比べ。特に違いはない。翻訳のぎこちなさは変わらずだけど、一番気に入らないのがあの生き残った殊勲艦の名前が変わっていたこと。「ソースびん」と呼ばれていた殊勲艦 HMS Worcesterの和訳が「ウォッースター」ってなんの冗談なんだろう?? そもそも発音できん。2016/05/12
シャル
6
白昼堂々ドーバー海峡を突破したドイツ戦艦。その奇跡の作戦をドイツの各艦とイギリスの混乱した状況を追うことによって描く一冊。その脱出はまさに『勝利』であり『奇跡』であったが、その背景にあるのは、幸運とともにイギリス軍の統制のなさであった。圧巻なのは13章で、その失敗に終わったイギリス軍が、どのようにしてそれに至り、それをどう取り繕おうとしたのかが延々と書かれている。それゆえに、旧式のソードフィッシュで突撃したエズモンド少佐らの悲壮感が際立つ。また、勝利したドイツの三隻のその後の成果のなさも皮肉である。2014/11/03
ニミッツクラス
3
読メの本棚に設けた「ノンフィクション」の一冊目。仏国ブレスト軍港(独軍が占領中)から、英軍の標的になっていた独海軍の戦艦2隻、重巡1隻が「ドーバー海峡を通って」本国まで脱出したという驚天動地の史実小説である。100%有り得ない話の顛末は読んでのお楽しみ。面白い挿入話を一つ。海峡に設置された英国の海岸砲。ハクを付けるために木製ダミーも設置した。そこへ独軍が爆弾を落とした。見たら爆弾も木製ダミーだった。バレバレ。文言では、訳者は膅内不発・膅内爆発を用いている。腔内と同義だから読み替えてくだされ。★★★★☆☆2012/01/09
Масакун(masakun)
2
勝敗は時の運というが、恐らくこの時のドイツ海軍には幸運の女神がほほ笑んでいたのだろう、と思うほどうまく行った、ツェルベルス作戦であったが、その幸運の以外に様々な人たちの努力が、この作戦を成功に導いたのだというのがよくわかる一品。