出版社内容情報
アメリカ国防情報局の作戦要員ドレイクは、激動のシリアで人質奪還にあたる――〈グレイマン〉シリーズに比肩する冒険小説第一弾
内容説明
内戦下のシリアでCIAチームがテロリストの新型化学兵器の被害に遭い、その兵器を開発した科学者が米国に接触してきた。彼の確保の命令を受けた国防情報局のマット・ドレイクは、シリアに潜入しあらゆる武装勢力との戦いに身を投じる。さらに大統領選を控えたホワイトハウスで不穏な動きが。米政府の陰謀とシリア内戦、二つの難局にドレイクは満身創痍となりながらも挑む。冒険小説界の巨匠らが絶賛した新鋭のデビュー作。
著者等紹介
ベントレー,ドン[ベントレー,ドン] [Bentley,Don]
アメリカ陸軍の攻撃ヘリパイロットを務め、除隊後はFBI特別捜査官などを経て、2020年に『シリア・サンクション』で小説家としてデビューした
黒木章人[クロキフミヒト]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
61
「第203回海外作品読書会」シリア内戦とアメリカ大統領選の狭間で人質奪回作戦に赴くDIAのオペレーターを描く軍事ポリティカルアクション物。この主人公PTSDを患っている上、シリア派遣・敵地潜入時にどんどん怪我をしていき任務を遂行出来るのかと思えるほど五体不満足の満身創痍状態。しかしどんなピンチに陥っても仲間を助け出すとの想いを胸に戦い続ける姿は胸を打つ。シリーズ物らしいので続きも気になる。ところで解説ではグレイマンを「冷徹な殺人マシーン」と書いていたがそれは違うでしょうと思った。2022/05/15
路地
39
日本から見ると混沌としていて何が起こっているか理解のできないシリア内乱を、当事者たるアメリカの目を通してみることができる一冊。現場では協力者のことをアセット(資産)と呼んでいること、そしてその背後には政争にまみれて現場を省みない政治家たちの野望があること、複層に分かれた群像劇と息もつかせぬ展開に一気読み必至。「倒れた戦友を敵の手に渡してはならない」との隊是により命を懸けて仲間を奪還する主人公と、単なる政争の具としか考えていない政治家、最後には大義を重んじる大統領とハリウッド映画さながらの壮大さ。2024/11/05
しゃお
33
DIA(国防情報局)作戦本部要員のマット・ドレイクはシリアでの任務で失敗し、以来PTSDのように症状に悩まされていたふぁ、再びシリアへ赴く指令を半ば強制的に受ける事に。マットによる一人称の部分と、政治的駆け引きが描かれる三人称の部分と交互に描かれるのは、アクションもそうだけどどちらかというとスパイスリラー的な物語。圧倒的なヒーローでは無く一人の人間として描かれるのが魅力的と思うか逆に思うかで好みも分かれそう。マットの目の前で亡くなった少年が印象的で、そこに著者の良心や希望が込められていそう。続きも楽しみ!2022/01/14
み
26
途中まで読みにくく感じ苦戦しました。シリアの新型化学兵器に、大統領選やらロシアやら、盛り沢山でした。続編も翻訳されるかしら?ドレイクさんの満身創痍っぷりが、お約束になりそ>_<2022/03/21
羊山羊
20
グレイマンよりボコボコで、クリス・ライアンより痛くて辛い激重冒険小説。シリアへの単独潜入という過酷なミッション中に、敵も味方も寄ってたかって主人公ドレイクをボコボコにする。その主人公の孤軍奮闘が胸を打つ。そして、戦闘描写と心理描写が心憎いほど丁寧で絶望的でひたすらに重い!終盤の拷問シーンは必見だ!総じて素晴らしいページターナーでした。大満足!2022/05/30