出版社内容情報
消えた恋人、出自の謎。ロシアへ飛んだマックスを待ち受けるのは、巨万の富と権力でソ連の復活をもくろむ元スパイの陰謀だった!
内容説明
失踪した恋人のパシーを捜しに、サンクトペテルブルクへ飛んだマックス。わずかな手がかりを頼りに彼女の足跡を追ううち、とある人物の影に気付く。巨万の富と権力を用いてロシア裏社会で暗躍するこの男は、ソ連の復活を目論んでいた!この男がパシーを捕らえているのか?彼女は無事なのか?さらに彼はマックス自身の出自にまつわる謎を解く鍵も握っていた…二つの都市と時代を繋ぐ一気読み必至のサスペンス大作。
著者等紹介
エスターダール,マルティン[エスターダール,マルティン] [¨Osterdahl,Martin]
スウェーデン・ソーレントゥーナ地方出身。ウプサラ大学で中・東欧史と経済学、ロシア語を修めた後、スウェーデンのテレビ局でプロデューサーとして働く。現在はメディアの講師をしつつ執筆活動をおこなっている。作家としては『スターリンの息子』がデビュー作
鵜田良江[ウダヨシエ]
1970年生、九州大学大学院農学研究科修士課程修了。ドイツ語翻訳者。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のぶ
79
下巻に入り、消息の途絶えたパシーを探すべく、サンクトペテルブルクに潜入したマックスは、捜索を開始したが次第にロシアで暗躍する裏社会が見えてくる。何でパシーはこんな組織に入り込んでしまったのか?パシーは生きているのか?激しいアクションもあり、シンプルだった上巻から予想以上にスケールの大きな作品になって行った。第二次世界大戦のスウェーデンとロシアの関係にも触れられていて、予想以上に楽しめた作品だった。スウェーデン産の北欧ミステリーだが、今まで読んだものとは毛色の違った一冊だと思った。2019/07/10
蝉の一生
2
かなりえげつない部分もありましたが、ストーリーを追って一気に読ませてもらいました。著者が、テレビプロデューサーであるせいか、映像化も、馴染みやすいような気がしました。そして、やはり、ロシアのあの方も最後の方に登場しました。作中で、ウクライナは、常に「踏み台」にされてきたと述べられています。行き詰った軍事国家が常に試みる侵略戦争。そして、ウクライナは自分たちのものと思っているので、なおさら手放すことはないのでしょう。続編もあるようですが、邦訳は難しいでしょうか…。2025/01/13
かつきち
1
展開が飛び散らかる割に、思わせぶりな描写がぶつ切りされる割に、話が進むカタルシスが薄く、これからクライマックスとはいえ読むのをやめました。残念。自分には合いませんでした。2020/06/14
risu
1
ロシアが舞台というと飢えと寒さ、人肉…陰惨とした空気。怖すぎて最後まで読まないと終われない気分で、下巻は一晩で読みました。読み終わっても重たいため息が出るようなヘビーな小説でした。欲望をかなえるためなら手段を選ばないのはミステリーの普通だけど、小説で描かれるロシア人のイメージが画一的に冷酷すぎて、ロシア人の温かい物語を探さなくちゃと思いました。2020/01/27