出版社内容情報
バスのなかでひっそりと死んだ老人は、大物スリーパーだったのか? 閑職に追いやられた情報部員たちが、ふたたび最前線で痛快な大活躍。『窓際のスパイ』に続く待望の第2弾
内容説明
一人の元スパイが心臓発作で死んだ。その死に疑惑を抱く者はいない…ジャクソン・ラム以外は。スパイは死ぬまでスパイだ。スパイが死んだなら、そこには必ず何かがあるはずなのだ。はたせるかな男はメッセージを遺していた。ただ一語“蝉”―それは旧ソ連の幻のスパイにかかわる暗号名だった!ラム率いる“泥沼の家”の落第スパイたちが、動き出す。『窓際のスパイ』に続く会心の痛快作。英国推理作家規会賞ゴールドダガー賞受賞!
著者等紹介
ヘロン,ミック[ヘロン,ミック] [Herron,Mick]
イングランド北東部のニューカッスル・アポン・タイン生まれ。オックスフォード大学ベリオール・カレッジ卒業。2003年にDown Cemetery Roadで作家デビューし、オックスフォードを舞台にしたミステリ小説を発表してきた。2010年の『窓際のスパイ』は彼の長篇第6作にあたる初のスパイ小説で、英国推理作家協会(CWA)のスティールダガー賞候補となった。その続篇にあたる『死んだライオン』(2013年)で、見事にCWA賞ゴールドダガー賞を受賞した
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年生、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
61
『窓際のスパイ』からの続編。前半の展開はテンポも良かったが、なんだか後半はしっちゃかめっちゃかな感じがしてしまった。しかしこれが「遅い馬」なのだから仕方がない。今回はそんな泥沼の家を飛び出しての任務。まさかの…(涙)もあり、ますます彼らがどうなるのか目が離せなくなってしまった。このまま次の『放たれた虎』を読みます(無茶苦茶面白いというわけではないのですが、なぜか読まずにはいられないのです)。2022/10/01
Panzer Leader
40
前作を読んでいただけに各キャラの描写には違和感なくスッと入っていける。愛すべき駄馬たちの活躍ぶり(迷走ぶり?)が面白おかしく語られていく。ばらばらと思われていたそれぞれの事件が後半になるとアクションを交えながらジグゾーパズルをはめ込むように一つに纏まっていく様はお見事と言うしかない。大風呂敷を広げた割に真相そのものはちょっとしょぼいのもこの作品の持ち味か。思い切りハードではなく、さりとてコミカルすぎずそのブレンド度合いも絶妙で、まだまだ彼らの活躍ぶりが読めると思うと期待が高まる。2016/08/11
ほちょこ
39
なぜか面白いのに読みにくい。ラムのような上司、絶対やだなぁと思いながらも、泥沼の家に少し憧れを感じる。この小説の魅力は一体どこなんだろうと、自分でも不思議。2018/08/14
RIN
39
何ともとらえどころのないスパイ小説(笑)。コミカルかと思えばシリアス、古臭いかと思えばスタイリッシュ、どん臭いかと思えば鋭敏。何かが始まりそうで動かない、もったりしてるなと思えば実は何かが進行中。といった感じ。極めて英国らしいと言えば英国らしい。フリーマントルのチャーリーを現代風にキャラ立ちさせたのがラム?英国vsソ連って未だ冷戦を引き摺っているというか、互いに亡霊をスパイし合ってるというか。現実でもそうだし。日本人にはリアリティなく、でも大いに興味深い。2018/05/18
うたかたの日々
31
他の方も書かれていますが、2冊目となると登場人物がすんなり入って前回よりはスムーズに読めました。このスパイ達の駆け引きや騙し合い非常に面白かった。ロシアがらみ壮大な展開と思いきや…ストーリーは好みでした。終わり方がもう少しすっきり終わらせてくれるといいんだけどね。2020/09/20
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