内容説明
かつて苦楽を共にした同僚がハーゲンのもとに持ち込もうとしたのは、イスラエル情報機関の暗部、標的殺人に関する資料だった。スクープのチャンスに意気込むハーゲン。だが提供者から情報が手渡される瞬間、情報機関の腕利き女性エージェントが襲いかかる。さらに彼女の陰には別の勢力が…ついに始まる熾烈な争奪戦。そしてその情報が暴くのは、イスラエルの歴史に潜む秘密なのか?怒涛の展開で読者を翻弄する会心作。
著者等紹介
シェッツィング,フランク[シェッツィング,フランク] [Sch¨atzing,Frank]
1957年、ドイツ、ケルン市の生まれ。大学ではコミュニケーション学を専攻し、卒業後は大手広告会社でクリエーターとなる。その後、ケルンで広告代理店と音楽プロダクションを設立。そのかたわら小説の執筆を始め、1995年に『黒のトイフェル』で作家デビュー。その後、次々とミステリや冒険サスペンスなどを発表し、好評を博す
北川和代[キタガワカズヨ]
ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tetchy
41
イスラエル。これほど国民や諸外国に愛されない国も珍しい。単純なエスピオナージュ的な物語ではなく、なぜそこまで疎んじられなければならなかったのかをシェッツィングはアリエル・シャロンの生い立ちと彼の友人とされる一国民のカーン家の歩み、そしてイスラエル建国から現在に至るまでの闘争の歴史を踏まえてじっくり語っていく。ただ相変わらず引き算をしない作家だと思いを新たにした。“調べたこと全部盛り”と勘繰らざるを得ないほど情報過多であり、正直これほどの紙幅を割く必要があったのかと首を傾げざるを得ないエピソードが満載だ。2015/08/01
わたなべよしお
6
どんどん面白くなってきました。やっと、本当のテーマが顔を出し、主人公のジャーナリストとカーン一家の関わりも出てきた。イスラエルの歴史も生々しく記述してあるけど、ちょっと回りくどくて、わかりにくいかなぁ。それでも、この長さを読ませるのはさすがです。2015/02/17
かんとり
2
まだ展開が読めません~~、ナニが緊急速報なのか? 先は長いゼ。笑2015/07/07
はかせ
2
ダヤン、シャロンという聞き覚えのある名前とイスラエルの戦争を背景に話がすすむがわかりにくいこと。極東の人間にとってはやはり遠い世界であった。2015/03/15
putisiyante
1
シャイナーマン家とカーン家のそれぞれが時を経て、子供たちも大人になった。戦争中心の本巻にも相変わらず時々、ハッツとするような表現が出てくる。最後は衝撃的なことで終わり、下巻が待ち遠しい。2019/02/26