出版社内容情報
日本的精神の至高の境地〈シブミ〉を会得した孤高の暗殺者ニコライ・ヘルの若き日の壮絶な闘い。人気・実力No1作家の大注目作
内容説明
1951年東京。日本的精神の至高の境地“シブミ”を学んだニコライ・ヘルは、服役中にCIA局員の訪問を受け、釈放と引き換えに暗殺の仕事を請け負った。朝鮮戦争が勃発し、中国とソ連は親密な関係にあるが、アメリカは中国の顧問役であるKGB幹部ヴォロシェーニンを暗殺し、中ソを反目させようとしていた。標的を知らされ、ニコライは驚いた。母と浅からぬ因縁があったからだ。彼は武器商人になりすまし、北京に赴くが…。
著者等紹介
ウィンズロウ,ドン[ウィンズロウ,ドン][Winslow,Don]
ニューヨーク市に生まれ、ロードアイランド州サウス・キングスタウンで育つ。俳優、舞台演出家、映画館の支配人、サファリ・ガイド、私立探偵など、さまざまな職業に就いた。『ストリート・キッズ』(1991年。『このミステリーがすごい!』海外編第2位)に始まる探偵ニール・ケアリー・シリーズや『犬の力』(2005年。同第1位)、『フランキー・マシーンの冬』(2006年。同第4位)などの作品を生み出し、日本でも圧倒的な人気を誇っている
黒原敏行[クロハラトシユキ]
1957年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
58
碁の心と鍛えあげた肉体の主人公ニコラス.ヘル。原案「シブミ」を読んでいませんが、ウィンズロウらしく展開が速く切れ味良いスパイ小説。ただ拷問の場面、女性蔑視(と私には感じられた)には辟易。そこはちょっと流して〜やっぱりニコラスが気になるので下巻に突入です。2017/08/12
Tetchy
29
トレヴェニアンの傑作を現代きってのストーリーテラー、ドン・ウィンズロウが受け継ぎ、続編を書く。このニュースを聞いた時に私の嬉しさと云ったらなかった。『シブミ』は私が現代ミステリを読み始めた頃に読んで驚きとスリルを味わった作品。そしてウィンズロウは2年前から読み出した大好きな作家だ。これはまさに私に読むべしと告げているようなものだ!そんな期待の中、繙いた本書は一読して一気に『シブミ』の世界に舞い戻らされた。いつもの軽妙でポップなウィンズロウ節はなく、あるのはトレヴェニアンが築いたニコライ・ヘルの物語だ。2013/01/06
うわじまお
23
上巻読了!2020/08/11
Dai(ダイ)
20
トレヴェニアンのシブミを原案とし、ドン・ウィンズロウが書いたシブミ以前の話。ウィンズロウは初読みだが、犬の力とかの評判も良く一度読みたいと思っていた作者である。上巻の後半、いざ暗殺へという段になるとグイグイスペードが上がってくる。このテンションを保ったまま下巻に期待。2016/12/05
緋莢
18
こちらも小島秀夫『創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち』(新潮文庫)で紹介されていて興味を惹かれて、手に取りました。『シブミ』の前日譚で、釈放と引き換えに請け負った 暗殺の仕事の様が書かれています。<原案/トレヴェニアン『シブミ』>と表紙に書かれているように、別作家の作品。『シブミ』の解説で池上冬樹が書いていますが、トレヴェニアンが亡くなった後に書かれたもので、別作家が前日譚を書くのは海外では珍しくないそうです(続く2020/10/17
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