内容説明
バトゲに渡された写真から、ヴェーラは意外な事実を知った。問いつめる彼女に、バトゲは秘密を語る。彼とマーマン、エスカーは傭兵として湾岸戦争で戦ったが、砂漠に置き去りにしたマーマンが復讐のためエスカーを殺し、自分も狙っているというのだ。メネメンチの捜査が難航する中、しだいにバトゲに魅かれていく彼女はマーマンの調査を進め、やがて驚くべき真相が!『深海のYrr』の著者が描く緊迫の冒険サスペンス巨篇。
著者等紹介
シェッツィング,フランク[シェッツィング,フランク][Sch¨atzing,Frank]
1957年、ドイツ、ケルン市生まれ。大学ではコミュニケーション学を専攻し、卒業後は大手広告会社でクリエーターとして活躍する。その後、ケルンで広告代理店と音楽プロダクションを設立した。その仕事のかたわら小説の執筆を始め、1995年に『黒のトイフェル』で作家デビュー、同書はベストセラーとなった
北川和代[キタガワカズヨ]
ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆきじん
3
「黒のトイフェル」が面白かったので、シェッツィング二冊目。物語はまあまあだが、登場人物やケルンの街の魅力は十分にある。その辺がシェッツィングの良さだろう。ただ、テーマである情報社会論が少し難しい。考えさせられた。2022/03/04
yi120
3
ルーボルトの正体が、上巻後半でもしやが下巻序盤でやはり・・尻すぼみとスローダウン。もう少し読者を間違った方向に誘導する紡ぎ方が無かったのか?女探偵、いい味出してるかと思えば、ベタな色恋沙汰で撃沈、一気に興ざめ。警察の捜査技法もゆるゆる、ミステリとしてはイマイチ。上巻が良かっただけに残念。2018/01/05
Tetchy
3
本書の登場人物に共通するのは自らの存在意義への問い掛けだ。自分が自分であることはどうやって証明できるのか?また自分はどこから来て、どこへ行くのか?誰かに見ていられることで自分は存在するのではないか?そういう問い掛けを登場人物は行う。メディアに見られてこそ、事件は事件となり、存在は存在として認識されるという言葉は、名前ではなく、エンジニア、運転手、スナイパーと役職だけで語られるプロローグの匿名性を示唆しているようで興味深い。しかしこの邦題はどうにかならないだろうか?もっとしびれるような邦題をつけてほしい。2010/05/15
putisiyante
2
湾岸戦争やITを織り込み、ダイヤモンドが原因という意外さで、下巻はスピード感がある。女性探偵ヴェーラが人間的に感じるように上手く仕組まれている。2019/06/25
Asayo
2
下巻の始めの方で、何となく犯人が誰かわかり、興ざめな気持ちのまま、読み進むことになり、ちょっと残念でした。でも、ストーリー展開は概ねスピード良く、楽しく読みました。忘れ去っていた湾岸戦争のこと、思い出すことができたのは良かったです。2014/04/22