内容説明
殺しの時が到来した。“蛇”という名の寂しく不気味な町で、殺人鬼は女の肉を「鋭い牙」で咬みちぎった。猟奇事件の謎に挑むのは麻薬中毒者の警部ジェルミナル。やがて、その周囲に怪しげな人物たちが浮上する。奇形研究所の医師、サーカス団団長、美しき踊り子、機械人間、社会主義煽動家。しかし依然として殺人鬼の正体は闇の中だった。時おかずして、腎臓、肝臓、膵臓、心臓、そして陰嚢をもぎとられた男の死体が…。
著者等紹介
フルヴィオ,ルカ・ディ[フルヴィオ,ルカディ][Fulvio,Luca Di]
1957年生まれ。ローマ在住
飯田亮介[イイダリョウスケ]
1974年生、日本大学国際関係学部国際文化学科中国文化コース卒、中国雲南省雲南民族学院中文コース履修、イタリアペルージャ外国人大学イタリア語コース履修(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaze
6
★★★- ジェルミナルかっこいい。それに尽きる。冒頭から猟奇的な殺人の描写、続いて阿片窟の場面。と、のっけから読むのやめようかと思わせる気持ち悪さであるが、とりあえずジェルミナルがかっこいいので読んでしまった。時代は1899年から1900年にかけての100年前の新世紀。舞台はロンドンかパリ的な都市の近郊の荒廃した地区。連続皆殺し事件の犯人を追う麻薬中毒の刑事。麻薬中毒なのにかっこいい。なんだこのハードボイルド。妖しい美女ダンサー・イグネースとの恋愛も気になる。下巻へ続く。2014/02/07