内容説明
ジョンはとうとう曽々祖父の遺言書を手に入れた。この書類こそ、母を苦しめた大本というだけでなく、由緒ある一族の末裔であるジョンが莫大な遺産の相続権を持つことを記す重要な書類だった。その権利を確固たるものにすべく法的手続きを取ろうとした矢先、またしてもジョンに敵の魔手が。欲望と愛憎があやなす五代にわたる名門五家の確執の行方は…古典的構成と現代的手法を用いて織り上げた壮大な物語絵巻、堂々完結。
著者等紹介
パリサー,チャールズ[パリサー,チャールズ][Palliser,Charles]
1947年、アメリカのマサチューセッツ州生まれ。イギリスに渡ってオックスフォード大学を卒業し、1974年からスコットランドのグラスゴーにあるストラスクライド大学で英文学教授を務める。1989年、執筆の準備に12年をついやした『五輪の薔薇』で小説デビューを果たした
甲斐万里江[カイマリエ]
早稲田大学文学部大学院卒、早稲田大学名誉教授、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダークスター
4
素晴らし内容の作品でした。でも、長かった。「父親は誰か?」という問いに、ジョンはやっと答えを出せたんですね。ジョンの自己探求の長い旅も、これで終わりです。幸せになってください。2017/02/06
Ayah Book
3
やっと読み終わった。ラスト尻すぼみ感はあったけれども、全体を通してみれば、面白かった。特に中盤くらいまでの、裏切りと転落と貧乏の話は凄まじい。キャラの中ではジョーイが素晴らしかった。そしてまさかのヘンリエッタ。。。><2016/12/19
コホン
0
再読終了。面白かったー。一回目の時に思い込んでいたことと違うこともあったし、いまだに父親は誰、って私なりの確信が持てない。何年かして3回目を楽しみたい。2014/09/13
一柳すず子
0
ついに完結。財産を受け取ってめでたしめでたしではなく、これからも人生は続く、という終わり。人物相関がようやくあきらかになったけど、もう勝負はついちゃったからなあ。Ⅳがいちばんどきどきしたかも。全体を通して当時の風俗とか、なかなか読めない展開とか面白かったです。あとは学校で過労死したマリファント君ももっと幸せになっても良かったのになと思った。2014/05/29
Ikumi Sekine
0
主人公に次から次へと苦難が降りかかりつつ、ついに、出生の秘密(父親探し)をつかみ、一族の複雑な家系図が完成するのは快感です。 お話とはいえ、家系図が入り組みすぎ、一筋縄でいかないところが私好み。2013/06/14