内容説明
削り取った石を喰らいながら性交し、死んでいった少年と少女―その全裸死体が、天使の壁画が刻まれた洞窟で発見された。壁画の調査に訪れた学者の僕は、徐々に妖しい洞窟の雰囲気を肌で感じ始める。折りしも、若者たちの奇怪な死に呼応し、壁画の下から醜悪な別の絵が出現した。その時から僕は血塗られた因習にからめとられ、破滅へと誘われてゆく…狂気のエロスが蠢く悪夢の魔窟。魂も蕩けさせる背徳のホラー小説。
著者等紹介
スターツ,ジェイムズ[スターツ,ジェイムズ][Sturz,James]
1987年にニューヨーク州コーネル大学を卒業した後、北イタリアのボローニャで英語講師を務める。現在はニューヨークを拠点に、ニューヨーク・タイムズ紙やヘラルド・トリビューン紙をはじめとする50以上の新聞・雑誌でフリー・ジャーナリストとして活躍している
津森優子[ツモリユウコ]
慶応義塾大学文学部卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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世玖珠ありす
1
『サッシ』と呼ばれるイタリアの洞窟住宅で、壁画の石を喰らいながら性交した後で死んだと思われる少年と少女の全裸死体が発見される。壁画を調査していたチームが、壁画の下にも絵がある事を知る。下絵に出てきたのは、おぞましい血塗られた智天使と巨大な男根を振りかざす悪魔の絵。そして、また新たな全裸死体が発見される。ホラーとなっていましたが、いまひとつな結末。題材の良さに期待したんですが、中途半端な感じで残念です。2010/02/19
hroko
0
削り取った石を喰らいながら性交し死んでいった少年と少女の全裸遺体が、天使の壁画が刻まれた洞窟で発見されて、しかも、その壁画の下には、塗り隠された別の絵が...南イタリアの洞窟住居が伝統的な(実在の町をモデルにした)架空の町に、調査のため訪れた人類学者の主人公の一人称で、洞窟で発見された遺体の事件、現地の人々の挿話がオカルトを思わせる緊張感で語られます。それは良いのですが、オカルトでもホラーでもミステリでもなく、ちょっと半端な感じがして残念です。2013/05/12
丰
0
20011115