内容説明
首吊りにされた猫の死骸、学内の臨床心理士の自殺。さらに、プールでは首を鋭利な凶器で刺された男子生徒の死体が発見された。季節は酷寒の冬を迎え、学内で不穏な空気が高まっていく。そして吹きすさぶ雪で学園が外界と隔絶した時、女子生徒に魔手が迫り、ホーソン自身にも危険が!心に癒せぬ傷を負った人々が織りなす、悲哀に満ちた人間ドラマ。『死せる少女たちの家』の著者が、人間の心理を抉った渾身のサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
warimachi
3
『死せる少女たちの家』は文字通り神のごとき視座から「共同体の崩壊」という現象を眺め続けるという驚異の小説だったが、こちらは卑小な人間の視点に寄っている。本当にどうしようもない人物たちが描かれ、犯人も救いようのない狂人だったが、読後に残るこのやるせなさはやはり作者の力の証明だろう。2021/12/28
まろんぐらっせ
1
学園改革に乗り出そうとする新校長と、それを邪魔しようと企む人間、そして居場所のない子供たち、アイスピックを持ったアイツ…。最後にきての犯人との全面対決は見ものです。2011/07/31