内容説明
2026年暮れ、雪のウィーン。新聞記者のシャーキーは、偶然知りあった男の事故死をその妻から知らされた。彼女は夫が殺されたのではないかと疑い、彼に調査を依頼する。男がコンピューターで不正にアクセスした産婦人科病院に手がかりを求めて、シャーキーはシステムへの侵入を試みたが…最先端の文化と歴史が融合する都市を舞台に、乾いたタッチで描く斬新なサスペンス。英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞受賞作。
著者等紹介
マシューズ,エイドリアン[Mathews,Adrian]
1957年ロンドンで、チェコ人の母とイギリス人の父親のあいだに生まれる。南ロンドンで育ち、ケンブリッジ大学で英語学を専攻。卒業後はイギリスとフランスを行き来し、教師と養豚業を生業としていた。現在は妻、娘とともにパリに住み、著作と翻訳のかたわら、パリのブリティッシュ・インスティテュートで英文学を教えている。本書は「The Hat of Victor Noir」(’96年)に続く長篇小説の第2作である。ほかに19世紀の英文学の批評史に関する「Romantics and Victorians」という著作がある
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感想・レビュー
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みも
26
出版は20世紀末。設定は2026年の近未来。25年後の予測とは言え、劇的に高速進化するIT関連の設定が的確で驚嘆。また、趨勢の予見にも世界的に見られる極右勢力の台頭や、移民問題に端を発するネオ・ナチによる外国人労働者排斥運動の激化など、正に現代世界が直面する難題を提起するあたりは著者の博識ぶりが窺い知れる。本書の主題とも言える優生学に基づく遺伝子工学の能書きは、専門用語が多用され素人の僕には全く理解出来ず。ケチな言いがかりをつけると知識のひけらかしに感じてうんざり。正直僕には面白さが分からず合わなかった。2017/01/11
ブルーベル
0
オーストリアの別の面が少し見れた。 スローガラス面白い!2010/01/13