内容説明
キャサリンはマルベリー作戦の関係者に接近、入手した極秘情報を本国に送る。だが、イギリス側の欺瞞工作により国防軍情報部が攪乱されていることを知った彼女は情報を直接伝えるため、Uボートでドイツへの渡航をはかる。必死の捜査の末、キャサリンの存在を割り出した英国情報部は、連合軍の上陸地点の露見を阻止すべく必死の追跡を開始するが…ノルマンディ上陸作戦前夜の英独の壮烈な諜報戦を描く、大型冒険小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
20
38ノルマンディ上陸作戦前の諜報戦は下巻に入って一気に加速、ドイツの女スパイキャサリンは上陸地の特定のきっかけになるマルベリー作戦の重要人物に接近に成功、一方MI5のヴィカリーはキャサリンの足跡をたどり近づきつつあった。何でだろうドイツ側を応援しちゃうんだよなぁ、キャサリンの支援をするノイマンは元降下猟兵で正義感があり女性に乱暴していたSSの士官を殺した経歴がありなんとなく鷲は舞い降りたのクルトシュタイナー中佐を思い出してしまう。キャサリンとノイマンの息詰まる脱出行は良かったし最後のネタばらしは衝撃でした2021/03/10
コージ
4
上巻の帯にある通りの「ノルマンディー上陸前夜の熾烈な諜報戦」。イギリスに潜入したドイツの女スパイをUボートに乗せてドイツに帰らせてしまったらノルマンディーにはロンメルが手ぐすね引いて待ち構える事になってしまう。逃げる女スパイ、追うチャーチルの友人でもあるMI5の工作担当官。まるで「ジャッカルの日」のよう。ドイツ側のスパイ・マスターであり反ヒトラーであるカナリス提督の出番が少ないなと思いながら読み進めると最後の最後にMI5の上官から明かされる事になる重要なカナリスの役割。読み終えた直後は鳥肌もんだった。2020/03/04
まさ
0
追うものと追われるものの、この息詰まる感じ圧巻です!プロローグから結末は想像通りだったんですが・・・最後のどんでん返しはあんまり必要性感じないような・・・2012/12/04
はるまき
0
☆☆☆:史実をベースにした歴史秘話系スパイスリラーの王道中の王道。序盤の人物紹介パートは、時系列が行ったり来たりすることもあって少々まどろっこしいけど、ノルマンディー上陸作戦の上陸地点を探り出すべくスリーパーの女スパイが動き出し、ストーリーが本格的に転がりだすあたりからは、スパイ活動自体のスリリングさ、ナチスドイツ内部におけるアプヴェールとSD間の主導権争いにMI5内での不穏な動きの不気味さ等が相まって、オーラスの作戦の全体像の種明かしまで上質のスパイスリラーが楽しめる。2018/08/03