ハヤカワ文庫<br> 虚ろな穴

ハヤカワ文庫
虚ろな穴

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 429p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150409159
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

薄汚れた物置の床に、穴は口を開いていた。直径は三十センチくらいだが、中は無限に広い。ぼくの友達のナコタが、穴に異常な興味を抱いた。色々な物を投げ込んだり、カメラを降ろしたり、ついには生き物を穴の中へ…ぼくらは穴の研究にのめりこんでいく。だがある日、ぼくの体に異常が発生した!奇妙な穴に取り憑かれて破局へ突き進む若者たちを描き、発表と同時に絶賛を博した、女流ホラー作家の輝かしいデビュー作。ブラム・ストーカー賞、ローカス賞受賞。ホラーの超新星、待望の日本上陸。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hit4papa

34
アパートの物置に突然現れた奇妙な“穴“。その“穴“に魅入られた人々を描くホラーです。主人公の青年が物置に近づくことで出現する”穴”は、怪異な現象を発生させるものの全く正体不明。”穴”によって主人公の手に穿たれた穴は、痛みとともにとめどなく膿汁を垂れ流すという気色の悪い設定です。短編でもよい内容を、周辺の人々を巻き込んでねちっこく書きつづったホラー作品は嫌いではありません。肉体や精神が崩壊していく様は、絵画的であり、ブンガクっぽく読ませてくれます。しかしながら、ちっとも怖くないまま終わってしまうんです。2019/03/19

雪之助

6
これは、短編で十分な話だと感じた。主人公の住むアパートの物置部屋に怪しげな穴があって、その穴に関わることで奇妙なことが起きるのだが、序盤に気色悪い描写があり、物語の無気味な展開を期待したものの、その後何ら盛り上がるシーンもなく、ダラダラとラストまで話が続く。強いて言えば、主人公の女友達ナコタの、穴に対する異常なまでの執着ぶりが 怖かったくらいか。2017/08/15

hirayama46

4
はじめてのキャシー・コージャ。謎の穴をめぐるあれこれを描いた幻想ホラー。とはいえ、あまり恐怖感を与えるような作品ではなく、社会性に乏しい主人公の内省的な語りと周辺人物たちのしっくりこないデタッチメントを楽しむ、ダメ人間小説っぽい感じですね。思っていたものとは違ったけれど、これはこれで良いものです。ただ、長さのわりにちょっと展開の起伏に乏しいところはあるので、主人公のへちょっっているところに寄り添えないと厳しいかもしれません。2021/06/08

いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

3
*ホラー*薄汚れた物置にその穴は口を開いていた。直径は約30cm、しかし中は無限に広い。穴に異常な興味を抱いた者たちが、色々な物を投げ込み始め、ついに生き物を穴の中へ…。近づくだけで体が突然変異を起こし死滅する"それ"に魅入られた者の辿る末路とは!?――ホラーと営業は良く似ていると思っています。先方は強壮、努力しても一言の『要らない』で即死に繋がる。本作も引き際の判断を見誤って破滅に向かう物語でした。そろそろヤバい!危険信号!シグナルは山程あった。しかし、まだ大丈夫、が命取りに。みなさんはどう戦いますか?2012/11/03

ponyo

2
これはつまらなかったなあ。短編程度のアイデアを主人公のウダウダした語りで引き伸ばしたような感じ。2015/11/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/119552
  • ご注意事項

最近チェックした商品