内容説明
戦艦と同等の攻撃力を持ち、駆逐艦より速い巡洋戦艦は、赫々たる戦果を英国にもたらしたが、第二次大戦に入ると装甲が薄いという致命的欠陥のために次々と撃沈されていった。この苦境の中、英国海軍大佐シャーブルックは、“伝説の艦”と呼ばれる巡洋戦艦リライアントの艦長に任命される。功名心に逸る戦隊司令官のもと、旗艦艦長として彼は、北大西洋、地中海で強力な敵艦と死闘を演じるが…迫力溢れる海戦小説の白眉。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
15
WW2中英国海軍は三隻の巡洋戦艦を戦わせ、そのうち二隻が劇的な最期を遂げたのですが、もう一隻レナウン級の巡洋戦艦がいて、そして地味ながらも戦線の背後でこんなふうに戦い抜いたとしたら。こんなイフのフネを舞台にした人間模様。でもさあ、なんともはやな不倫・略奪愛を良しとするのはネルソンの影だからってことかい? 二つの恋愛模様が安直な気がするけれど、主役であるべきリライアントの戦いぶりと、あの武勲艦ウォースパイトを彷彿とさせる最期が見事なので、ケント=リーマン症候群は勘弁してあげよう。(笑)2020/11/08
gauche
2
レナウン級3番艦という架空の軍艦を舞台として、心に傷を負った男が困難に立ち向かい、部下との絆を強めていくまさに王道の戦記物。主人公が艦長というのは普通だけど、戦隊司令が別にいて対立するというのは他にあるのだろうか。 個人的には女性関係の部分で一部引っかかるところがあった(え、これでいいの?と素直に喜べない)が読んで損はない小説。2020/06/08