内容説明
ポルトガルに侵攻したナポレオンがスペインの征服を窺いはじめた1808年3月、ボライソー提督は新たな任務を託された。要衝ケープ・タウンに赴き、当地を監視・防衛する戦隊を早急に確立せよというのだ。旧友ヘリックの軍法会議で受けた衝撃も醒めやらぬまま、ボライソーは少数の部下とともに金塊輸送船で出港する。だが、その船がアフリカ西岸沖で座礁してしまった!絶大な人気を誇る帆船小説シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
11
1808年、リチャード・ボライソー海軍中将 52歳。旗艦・戦列艦ブラック・プリンス号(94)。ゼノリアと結婚したてのバレンタイン・キーンが、旗艦艦長から戦隊司令官となって出世しますが、まさか別れている間に新妻が敬愛するボスの甥っ子に寝取られるとは夢にも思っていない(笑)。むろんボライソーは愛人キャサリンとラブラブですので立場は微妙か? この愛人とキーンごと、ボライソーはナンパいや難破します。はたしてこの結末は。──ああ『大菩薩峠』うんぬんへの反論はサイト記事にて(笑)。2012/11/20
とらやん
1
帆船物のボライソーシリーズも20巻目です。 同じ主人公でこれだけ長いのは、 大菩薩峠に匹敵するんじゃないでしょうか。 ただ、主人公も歳をとり、海軍中将に上り詰めると、 陸上での駆け引きや政略の話しが多くなり、 船上の話しが少なくなるのは、やはり寂しい限りです。 海尉艦長になり立ての頃の冒険が、懐かしいです。2013/04/23