ハヤカワ文庫<br> ロシア・ハウス〈下〉

ハヤカワ文庫
ロシア・ハウス〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150407988
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

原稿の著者ゲーテは、かつてカーチャの愛人であった理想家肌の科学者だった。以前パーティーで意気投合したバーリーを見込んだゲーテは、国防機密を出版して、一挙に世界的軍縮を実現することを望んでいるのだという。だが国際政治の現実はそれほど甘くなかった。カーチャへの恋心を秘めて再度ソ連を訪れたバーリーは、核の主導権争いに執着する英米情報機関の野望によって、カーチャの身に危険が迫っていることを知る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

おたま

25
イギリスの出版者であるバーリーは、ロシア(ソ連)の科学者であるヤーコフ(通称ゲーテ)とコンタクトを取り、ヤーコフが掴んだロシアの軍事機密を入手しようとする。その背後では英国情報機関「ロシアハウス」と、さらにアメリカのCIAも加わって、情報入手のために動き始める。虚実の入り乱れる中、ロシアと米英の情報戦は続いていく。どこまでが真実で、どこまでが仕掛けられたものなのか、駆け引きの中で真実はどう捉えられていくのか、ル・カレはそうしたスパイ戦を丁寧に描き出していく。その狭間に捕らえられたバーリーはどうなるか?2022/04/08

bapaksejahtera

14
サハロフをモデルとするソ連天才科学者は、自分の関わった軍事科学情報を、世界平和の為に出版してほしいと英国出版業者に託した。米国政府と対等の関係を持ち得ない英国は、これをCIAに渡さざるを得ない。果たしてこの脳天気な要請は米国軍産複合にとり危険であり大騒ぎとなる。結局両諜報当局は、業者を再度訪ソさせて科学者抱込みを命ずる。この作戦は初手から不成功と読者は知っているので、興味は諜報でなく恋愛の成就如何という他の筋に移る。晦渋で時に衒学的な文体は読みにくいが、筋立てが収まってしまうと単線的であり、読み易くなる。2022/07/08

greeneggs

3
下巻は伏線回収でハラハラドキドキの連続で一気読み。ペンコフスキー大佐とMrウィンの取引きを彷彿とさせたり、CIAのお粗末な描写もあり、実話に近いところもあっておもしろかった。パステルナークを意識してか、登場人物がみんな女好きなところはご愛嬌。学生時代の知識では気が付かなかったことが今なら分かる。年齢を重ねるというのも悪くないと思った。ルカレ作品5つ目だが今のところベスト。2026/04/14

うめ

3
今まで読んできたル・カレ作品を思うと、これもまた悲劇的な話なのかな~と読むのが少し怖かったです。実際読んでみると『スクールボーイ閣下』を思い出しました。しかし、他作品と比べたらハッピーエンドとも言える気もします。というか、そうであってほしいです。2019/12/21

西村章

1
ロシアを舞台に虚実の判然としない情報を巡る諜報戦の地道な策略が一気に加速する後半の展開が見事。凋落した英国情報部〈ロシア・ハウス〉と主導権を握って我が物顔に傲然と振る舞うCIAの独善、にわか仕立てのスパイとなった翻訳出版社主とロシア側窓口女性の関係性がラスト100ページでうねるように絡み合い、そこに至って視点人物の英国情報部法律顧問が、自らの不倫の挿話を挟み込んでいたことも意味を持って立ち上がってくる。その立ち上がり方が、ル・カレ作品にしては珍しく希望や温かみを示唆する幕引きに繋がってゆくところもよい。2023/08/23

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