内容説明
手術後、順調に回復中の患者を相次いで襲う原因不明の死。糖尿病を患いながらも、精神科レジデントとして活躍するキャシーは、この事件に興味を抱き、友人の医師ロバートと調査を開始した。調査を進めるうちに彼女たちは、死亡した患者全員が死の直前に点滴を受けていたことをつきとめる。だがその直後ロバートが謎の死を遂げ、キャシーの身近にも魔の手が迫ってきた。著者会心の医学サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
催涙雨
26
精神科レジデントの妻と精神分裂の兆候を見せる天才心臓外科医の夫、という構図がまず面白い。この二人を中心に繰り広げられる病院内の人間模様と術後に小康を得たはずの患者が不審死を遂げる謎とが上手い具合に絡み合っているのが見所。リアリティの伴う鮮明な外科手術の描写は下手なスプラッタより恐怖を催すものがあり、疑心暗鬼の強い暗めな雰囲気を相互に引き出している。作者は元医師で1億部以上の売上を誇る医療スリラーの世界的なベストセラー作家らしいのだが、日本では馴染みが薄い印象がある。取っつきにくいのかもしれない。2017/10/05
菱沼
1
再読。この人の作品はどれも面白い。けれど、後年の作品はちょっと消化不良で終わるものもあった。『ゴッドプレイヤー』は、初読のときはあまり感じなかったこと、ヒロインのキャシーがもっとはっきりものを言えばいいのにとか、夫の態度ひとつで気分がころころ変わるところが気になった。作者は医者だった。誰であれ、生業とする仕事の他に、せめてもうひとつ、あるいは複数の専門分野を持っていると仕事の幅が広がるのではないかと思った。2024/09/22
のちおちゃん
0
☆☆☆★2000/01/06