内容説明
航空機墜落調査班のメンバーである心理学者ノーマンは、召集を受け、南太平洋へ飛んだ。海底に沈んでから少なくとも三百年は経過している宇宙船が発見されたというのだ。ノーマンをはじめとする科学者チームは、海底居住施設を拠点にして、船内の調査をする。未知の生命体との遭遇に脅えながらも船内深く到達した彼らの前に、不思議な球体が出現した。『ジュラシック・パーク』の著者が放つ傑作エンターテイメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みも
137
インテリジェンスに訴える作品であるが難解さは一切ない。そこは流石に「ジェラシック・パーク」の著者。高度な知識階級に属する知的集団(5名)を、煩雑さを排除し極めてシンプルに描きつつ、個性を際立たせながら要点はきちんと押さえてストーリーへと誘導する。それゆえに、この種の科学的要素を必須とする作品としては特異と言えるほど簡潔で、万人をグイグイと引き込む力があり、尚且つ、徐々に不穏を忍ばせるテクニックにも長じている。執筆はソ連崩壊前の時期と推察できるが、時代を超越している先見的作品。上巻「静」から「動」の下巻へ。2024/12/18
ざるこ
54
海底に沈んで300年は経過している宇宙船が発見され海軍大佐と共に集められた学者たち。宇宙物理学者、数学者、動物学者など。主人公が心理学者であることが疑問だったけれど未曾有の事態の登場人物たちの行動や言動を分析してくれるのでなるほどいいなと思った。まずあらすじから漠然と想像していた展開でないことで驚いた。学者たちが語る宇宙論や生物学もわかりやすくて読みやすい。宇宙船への潜入、発見される直径10メートルの球体。中には何が?暗号のような数字の羅列の意味は?息を吞んだり鼻息荒くなったり興奮しっぱなしのまま下巻へ。2020/09/02
佐島楓
40
海底に沈んだ宇宙船。その中には謎の「球体」が存在していた。映画にもなったこの作品、主役がダスティン・ホフマンだったとは! ぜひ観てみたい!2015/08/25
churu
9
子供の頃に地球周回軌道上でアポロとソユーズがドッキングした写真を見て、スゲェ!と感動に震えた。あの時代に科学はこんなことまで実現させていたのだ。そう思うと新型コロナ関連の専門家の提言など、これが本当に最先端の科学の叡智なのか?と釈然としなくなる。そんな折、旧版の表紙に惹かれて手に取ったこの本。上巻の終盤まで人物と伏線を丹念に描写しつつ淡々と物語が進んでゆくのだが、それが物凄く面白い。科学とリンクするワクワク感が子供の頃の気持ちを呼び覚ます感覚。そして科学者たちの人間性が物語に絡み出して、さらに面白くなる。2021/06/11
いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】
9
**SF・心理学**感想は下巻でまとめます。2013/02/07