内容説明
英米ではホラー・アンソロジーがブームだが、中でも〈ナイトヴィジョン〉シリーズは独自の編纂で知られる。つまり、3人の作家がそれぞれ250枚の中短篇を各巻に書き下ろすことで、一作家一短篇に限られた従来のアンソロジーにつきまとう物たりなさを解消したのである。本巻には、ベストセラー作家ディーン・R・クーンツ、SF界の実力派エドワード・ブライアント、クーンツをしのぐ人気作家ロバート・R・マキャモンの3人を収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
20
ホラーアンソロジーとして納められてはいるが、感動 葛藤 ファンタジーも愉しめるバラエティーに富んだ12の中短篇集。今回のお気に入りは、過去何度も人類を破滅へと導いた知的植物をたった一人で倒した慈愛の君にホレてまう「フン族のアッチラ女王」。今となってはそのどんでん返しも途中で見越せてしまうのだが、逆にその古き良きテイストがいいんだわ「捕食者」「荷物」。。。ちなみに、血みどろホラーを欲するという方には「ベストフレンズ」あたりがよろしいかと…。2016/06/28
散文の詞
11
-フン族のアッチラ女王(ディーン・R・クーンツ)-クーンツが愛の物語をかくとこうなるってことで、愛の力は何者にも勝るのだ。 -ハードシェル(ディーン・R・クーンツ)-掛け値なしにおもしろい。大どんでん返しにはびっくり。 -亡霊(エドワード・ブライアント)-いくら愛しくても、見えないものは見えない。ちょっと、皮肉っぽいかな。 -水の底(ロバ-ト・R.マキャモン)-プールの中に潜んでいる怪物と対決する話。臨場感があっておもしろい。最後に読者以外も納得させるのは、テレビ的かな。 2019/06/21
ハルバル
6
意外にも愛と人間讃歌に満ちたクーンツ、後味の悪いブライアント(なんとも露悪的な編集付記付き)、怪物物の間にヒューマンストーリーを挟む憎い奴マキャモンと、三者三様の個性を楽しめる書き下ろしアンソロジー。マキャモンがまだ日本上陸前だったというのが時代を感じる。どちらかといえば怪奇小説寄りのホラーを好む自分にはモダンホラーはあまり好みではないのだが、箸休めとしてなかなか面白かった。クーンツのエンターテイメントに振り切った感は嫌いじゃない。表題作は主人公のキャラが良かった。ただなぁ…どれも個人的には全然怖くない…2017/03/14
ベック
3
とにかくマキャモンの「ベストフレンズ」が突出して素晴らしいのですよ!
シロくますけ
2
クーンツ 「フン族のアッチラ女王」素晴らしきかなポジティブ思考。愛があればすべて解決。長編の長いプロローグみたい。こんな長編は読みたくないけど。 「ハードシェル」そうだろうなとは思ったけれど、読ませる。シリーズ化希望。 「黎明」? ブライアントはよくわからん。 マキャモン 「水の底」エンタメ的面白さ。 「五番街の奇跡」トワイライトゾーン的な一編。マシスンかと思った。 「ベスト•フレンズ」現代的悪魔の取り扱いかた。自分が思うモダンホラーの典型。「こういうのを求めてるんだろ」と言われてるよう。ああそうだよ。2023/03/29