感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
22
アメリカ大統領選挙とOPECとアメリカの争い、そこにナチスの昏い翳を投げかける。石油価格の引下げを武器に選挙戦を臨む新進気鋭の政治家と現状の利権を死守しようと陰謀を画策するOPECの二極対立の戦いの結末は実に意外な形で幕を閉じる。国と国との駆け引きとは常に何らかのジョーカーを隠し持ち、それが世に出るか否かは不明ながらもそれぞれの国の安心と優位性を得るために未来永劫保管されるのだ。我々の知っている世界とはこのような小説を読むとなんとごくごく浅い表層でしかないことを改めて思い知らされる。2014/01/21
ようかん
0
文章に無駄が無い。文字数稼ぎなぞ一切していない。それなのに、ものすごい分量の文字数だ。しかし、この分量なのに、実に読みやすくスラスラと読み進めてしまう。無駄な修飾語など一切使っていなのに、その場面が色鮮やかに湧き上がってくる。長い作品なのに、全く飽きさせず、読者に対して容易に内容を理解させ、且つ、先を急がせるくらい引き込ませる。これは文筆家としてものすごい力量である。大統領選挙、OPEC、ナチスの財宝、ロマンス、とにかく色々な要素が、多重に無駄なくリンクしており、そのどれが欠けても成立しない完璧な構造。2016/06/23
kanamori
0
☆☆☆2013/09/30
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