感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
102
東独にソ連のミサイル基地が建設されているという情報を得て、英国がそれを探るためのスパイを潜入させる物語。3人のスパイの三者三様の任務を通じて諜報活動が私生活に及ぼす影響についても作者は描く。これが潜行任務の重さと孤独さだと云わんばかりの痛々しい場面の連続だ。しかし前作と共通するのは孤独なスパイの心の拠り所は女性ということか。そしてまた女性によって歯車も狂わされる。スパイがスーパーヒーローでもなく我々と同じ普通の人間、誰かの愛を欲する人間と変わらぬという前作でのメッセージを更に推し進めたように感じた。2022/08/11
bapaksejahtera
14
職業作家出発を決意したル・カレによる第一作。ハンガリーの対ソ反抗を暴力で封殺したばかりのソ連が東ドイツにミサイル基地を建設したという、やや不確実な情報が齎され、英国の情報機関のうち戦後冷や飯を食ってきた外務省系の機関が、手薄なスパイ要員で戦時の協力者であった在英ポーランド人を、WW2当時の暗号機械を持たせ政治的配慮として拳銃不携帯のまま送り込む。政治や官僚組織と両諜報機関の思惑の交差の中で翻弄される外国人の捨て駒、それを送り出す機関の担当者。それぞれの崩壊する家族。送り込まれる東ドイツの悲惨。何とも暗い。2022/04/24
yooou
7
☆☆☆☆★ これぞエスピオナージュと言える作品でした。わずか数作でここまでの境地にたどり着いているということにあらためて驚きました。2023/06/25
ボブ
6
再読、切ない話だなぁー2020/07/13
冬薔薇
5
東ドイツに現れたミサイルらしき物体の確認へ、陸軍情報部は工作員を送り込む。ライバル視するサーカスに対し、大勢挽回の策を練るも…。平穏な生活を送っていた元工作員が、なぜ死をかけてまで実行するようになるのか?「愛とはいつでも裏切ることのできるものだ」スパイは現地工作員と本部指導員のペアで動く。エイブリーとの研修で孤独を癒されたライザーのラストの決断。組織の非情さ。寒い雨の日でも長く遠くまで散歩する彼ら。階級差は人生を左右する。失敗も想定内だったかサーカス上層部には。2018/10/17




