感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
307
スパイ小説の巨匠のデビュー作を再読しました。本書の英国での出版が偶然にも私の生まれた年で著者は30歳でした。もう40年近く前に読んだのが最後ですので完全に記憶に残っていませんでしたね。本書の主人公、ジョージ・スマイリーは英国諜報部員で小太りの不細工な小男の老スパイで美人妻と結婚しますが2年で他の男と駆け落ちされてしまうのですね。著者の手柄は、007ジェームズ・ボンドのような超人型ヒーローに変わって何処にでもいる我々と同様の普通人の努力家の男が頭脳と経験と強運でしぶとく生き延びる姿を描いた点にあるのですね。2023/01/17
藤月はな(灯れ松明の火)
55
ジョン・ル・カレの処女作。二重スパイ容疑が掛けられていたフェナンが突然死した。そこで捜査は終了する筈だったがスマイリーはフェナン死亡前のある出来事に違和感を抱き、独自に調査を始める。だが、その調査の先に待っていたのは彼の最もやりがいがあった時代を象徴する人物との別れだった・・・。収容所で最も美しかった時を奪われたエルサが国家と言うものに抱いた絶望の声が印象的。そしてファンが何度も「とっとと縁切れよ!」と思ったであろうアンの声の表現が「サッカリン」と表現されて絶句。身にも滋養にもならない甘え声の女・・・。2024/06/25
imuzak12
25
★4: 実際に読んだ版はこちら→ https://bookmeter.com/reviews/76024510
bapaksejahtera
13
著者はフリーマントルより5年ほど年長だが、描く世界は彼より更に以前である。対ナチス戦略で共産主義者と手を組んだ記憶が尚残った時代。悩ましい事に我が国も同様だが、英国も若い世代はコミュニストへの儚い憧れを有していた。よって本作の世界でも対外諜報先としてのソ連はまだ実体化せず、何れ同盟者となる西独もまだ脆弱。本作では東ドイツが主要敵に登場する。作者がプロになる以前の作品で、この後成功を収めた「寒い国から帰ってきたスパイ」等も構想に入っていたのか、登場人物の説明バランスが何となく悪い。兎も角続く作品が楽しみだ。2022/03/29
アトレーユ
9
自分の中でのスマイリー像は、スマートでかっこいいイメージなんだけど、本当は180度真逆な風貌。スマイリーシリーズを読むたびに(自分で勝手に創り上げた)ギャップに気づく(笑) …ともあれ。諜報の世界の深すぎない感じが読みやすくてよい。2024/04/11




