感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
1
実に淀みが無いエスピオナージュ作品。正味250ページ強という薄さながら、舞台はイタリア、イギリス、ハイチ、スペイン、フランス、ソ連、オーストリアと目まぐるしく移り変わる。それに加え、次から次へ現れる謎に、それに呼応して判明する諜報工作の数々。しかしどこまでが本当でどこからが虚偽なのか判らない。このような価値観の逆転というミスディレクションはほとんど本格ミステリその物である。表と思っていたことが裏で、裏だと思っていたことが表となって反転する。つまり彼らはミステリの世界に常に身を置いているのだろう。2010/04/20
ヒロフ162
0
白か、黒か?西側か、東側か?スパイなのか、二重スパイなのか?う〜む、つまるところ、問題はそこである。つまり、数学的に言うなら、+の後に来るのが−、−の後に来るのが+。どんでん返しとは、つまり、そういうことなのでは……。2014/05/06