ハヤカワ文庫<br> ポセイドン・アドベンチャー

ハヤカワ文庫
ポセイドン・アドベンチャー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 546p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150401610
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

88
岡田あーみんが映画に触れていたので名前は知っていたが、原作ギャリコとお気に入りの方に教えて頂き読む。パニック映画的な話と思いきや徐々に想像から離れていく。極限状態の人間ドラマではあるが弱さや醜さが露呈されるものではなく、理不尽な世界という鏡面に映し出された心を見るよう。無慈悲に奪いながらも、奪われたことを見せつける為に刈り残す神は、同時に平穏であれば忘れ去られる都合のいい存在。人が神の似姿なら神も人の似姿。リーダー的存在であるスコット牧師の内面は語られず、登場人物達の複眼視点であることにも考えさせられる。2021/09/10

yumiha

41
パニック映画は苦手だからとパスしていたのだが、原作がポール・ギャリコだったので、読んでみた。パニックそのものの恐怖よりも、船の転覆という極限下における人間同士のやりとり、つまり反発やいたわり合いなどを丁寧に描いて、やはりポール・ギャリコ作品だと思った。また、英雄的なフランク牧師、紳士的な自動車会社副社長のリチャード、良妻賢母のジェーンなど、外面的なものが剥がれ落ちてゆく様子、また逆に思いがけないエエ所を見せる人物もいるのも極限状態ならではこそ。人間はやはり多面的な生き物だと思わさせられた。2021/10/12

エヌ氏の部屋でノックの音が・・・

8
昭和52年12月31日 初版 蔵印あり。この映画版が吾がはじめて見たパニック物であろう。(もちろんテレビであるが)ジーン・ハックマン(後々知ることになるのだが)が子供ながらにものすごく格好よかった記憶がある。船は最初から大揺れであったが、映画を見ていたので、苦手な翻訳物でも楽しく読めた。2017/08/30

Нелли(ネリ)

3
厳しい現実に翻弄される登場人物を優しい目で見守るのがギャリコの持ち味だけど、この話においてはその厳しさの度合いがかなり強い。安易なハッピーエンドは与えられない。しかし絶望もしない。生き残った彼らはつよく今後を生きていくだろうと、確信させられる。2016/03/18

ナナシ

1
残念ながら読後のスッキリ感はないかな。この作者は直視し難い現実の問題をもしっかりと書くので信用しているが、この様な海難事故だと悲劇の比重が大き過ぎて…。ロビンは結局見つからず、酔いどれカップルも先行きは暗く、おしどり夫婦の片割れは亡くなり(しかも妻の持病を軽々しく扱ってた!女性の病気を真面目に取り合わないという事例)、ノニィとマラーは結局はっきりしないまま別れ…。ところで作者がやっぱり男性だなと思うのは、他の作品でもあるけど自分を強姦した男性を受け入れる女性を描く所。いや、終わり方本当気持ち悪かった。2021/08/04

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