感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
23
スパイ小説の重鎮バー=ゾウハーのデビュー作。たった280ページの物語に舞台は事件の起きたアメリカからドイツ、フランス、イスラエル、ポーランドと実に目まぐるしい舞台転換が込められており、しかも物語は重層的だ。スパイ小説隆盛時期の小説とはこれだ!と云わんばかりの充実ぶりだ。また多重構造的に縦串と横串が交差する複雑な物語は世界を股に掛けた大規模な一種の操りのトリックでもある。つまり根っこは本格ミステリ、特にクイーンが取り組み、そして悩むこととなった後期クイーン問題に繋がっているように、近似性を強く感じた。2013/07/11
koo
8
再読。ソ連外相がアメリカで暗殺され、米ソの衝突を回避する為にCIAとKGBが協力して事件の真相を追求するという冒頭からデビュー作らしからぬユニークな作品ですね。260ページ強と短めながら、非常に内容が濃密で展開がスピーディー、そして中盤からは反転に次ぐ反転で息つく間もない一気読みの内容、再読し改めてデビュー作時点でバー=ゾウハーのスタイルが確立されている事に驚かされます。正直目を背けたくなる部分もありますが、イスラエル出身の作者らしいテーマへのこだわりも感じました。未読作品も読み進めたいです。2025/05/28
ドートマンダー
1
秀逸2018/09/16
kanamori
0
☆☆☆2013/09/30
こぎん
0
1978/2/19読了2013/06/03